第18話二人の出会い

この話は俺がまだ太っていた頃の話しだ


ゲラゲラとバカにされて俺は傷ついていた


どうして俺ばかりひどい目に遭わなければいけないんだ


誰か助けてよそう思いながら涙を流す日々


もちろんどれだけ涙を流しても誰も助けてくれることはない


だから俺は悲しみながら前へ向かないと行けない


そうやって恩人に出会う前の俺は自分自身に対して諦めていた


裏では大泣きをしていてそれを女の子に見られたんだ


その泣いていた場所が実は子役や俳優が活躍するテレビ局の近くだった


ここはあまり人通りが少ないから泣いていてもなにも言われないと思った


だが「どうしたの?」


このときは女の子にバレて話しかけられてしまった


なんでバレたのかと思ったが


「ぼくねここで隠れて演技の練習をしてるんだ」


「そうなんだ」


おれはそんなことどうでもよかった


赤色の艶やかで綺麗な長い髪をなびかせて彼女は俺の方を笑ってくる


「ぼくね女であれば良いのか男であれば良いのか分からないんだきみの悩みは」


「俺はいじめられてさ本当にこれで将来良いのかなとも思えるし」


「そうかあなんだか悩みが似ているね」


「似ていないと思うけど」


「似てるよ絶対に」


「どこら辺がだよ」


「今自分がなにをしたいのか分かっていないところ」


「……そうだな似てる」


「でしょ」


「ああなんとなく分かった泣きそうな俺を見ておせっかいを焼きたくなったんだろ」


「え?」


「そんなことをされるほどの人間じゃないんだわ」


「どういう?」


「なめてんだろと言っているんだ」


「なめてないよ」


「じゃあなんで他人である俺に話しかけたんだ」


「面白そうだと思えたから」


「あははマジか」


「うんマジだ」


「なあこの世界って不平等だよな」


「そうかもしれないけど自分なりに頑張っていたらいつの間にか周りが認めてくれる」


俺はその言葉は頑張れるやつが言える言葉で俺には無理だと思った


だから反論をしようとした


「でも結局のところそれは才能があるやつだけだ」


「へ?」


「ぼくは自分の気持ちすら分かってないけどでも後悔したくないから前へ向いてる」


「そうか」


俺にとって霧雨苺は自分を変えてくれた恩人である


だからこの後俺は霧雨苺を助けることとなる


それは絶対に不可能だとさえ思えるぐらいの難問で


それでも俺は諦めない……っていうまるで少年漫画じみたかとを言ってはみたがこれはラブコメ


だからさほど難問ではないだろう


「あなたわたしの言うことが聞けないっていうの」


そうやって虐待されそうになった彼女を守る俺

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