第9話とりまきの女

俺と霧雨苺は学校が終わり約束どおりゲームを買いにいくことにした


「なんで女の格好になっているんだ」


苺カラーのスカートをはいている霧雨苺を見つめる


『可愛すぎるだろぉぉぉ』


そんな叫び声をあげそうになるがもちろんあげない


「ほっぺたが赤いですけど大丈夫ですか?」


「ああ大丈夫だ」


「そうですかなら安心ですが」


てくてくと歩いていく俺たち


「覚えていますかあの契約」


「なんの話だ」


「女であることを隠すと言う契約ですよ」


「ああそういうこともあったな」


なぜそんなことを急に話してきたのかその理由はすぐに分かった


取り巻きの女の子達が三人近づいてきたのだ


なぜか俺は霧雨苺に壁ドンをする体勢になっていた


霧雨苺を隠すようにのびる俺の腕


近づけば近づくほどに甘いかおりが俺のはなをくすぐる


からだが大きいから霧雨苺を隠すことが出来る


この契約のせいで俺は霧雨苺に翻弄されていく


友達として安心感のある霧雨苺と今みたいな可愛らしさ全開の守ってあげたい系の霧雨苺


「女としてみれば良いのか男としてみれば良いのか分からないんだが」


「どうしたんです急に喋ったりなんてして」


「いやこっちの話だ」


「そうですかでももう喋らないでくださいねバレてしまうので」


黙っている俺たちの耳にこんな言葉が聞こえてくる


「霧雨さんに似てた人がいた気がするんだけど」


「やっぱり女の子に見えたし気のせいだったんじゃない?」


「そうなのかなあ」


俺は取り巻きの女のこ三人を見つめながら誰がどんな名前かを思い出す


確か緑色でメガネをかけている胸元が小さいスラリとした体型の女の子は柊 目高(ひいらぎ めだか)だったか


生徒会長でありながら霧雨苺に助けられたことでファンクラブを立ち上げたファンクラブの会長


「なあこれ俺が押し倒しているように見えるよな」


「そうですね」


「だったら俺が社会的に終わるじゃん」


「……いえイケメンが女の子を壁ドンをしているだけにしか見えない気がしますよ」


「そうだけどよ」


「認めるんですかイケメンであること」


「だってそもそも学校1のイケメンなんだぜ」


「そうですねでもあまり喋らないでください」


「いや喋りかけてきたのそっちだろ」


「ウフフそうですね」

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