第4話 このダンジョン、なんか変なんです
はじめに
クソパロ、本当に申し訳ございません。
以下、本編です。
―――――――――――――――
「――――うーん…やっぱりあの竜、未発見の魔物だったみたいね…。」
スマホを見ながら七瀬さんはそう呟く。いやぁ、まあ、最下層だしそれもそうなのか…。
「にしても、本当に一樹くん強いんだね!」
「いやいや、そんなに強くないですよ。」
俺って言うのはその辺逃げ回るくらいしか能がない。正直な話、あの頭突き躱せるかどうかは割りと運ゲーだった。
「でも、一樹くんのお陰で勝てたから。」
「いや、俺1人じゃ死んでましたよ。」
「またまた、謙遜しないでよ!」
「謙遜じゃないんですけど…。」
まあでも、褒められるって言うのも悪くないかな…。
いやいや、そうは言ったってお世辞なんだから舞い上がらないようにしないと。
「さてと…それじゃ、行こうか。」
「そうですね。」
とは返事をしてみたが…。
「え、どこにです?」
「出口を探すんだよ!流石にこのままじゃヤバイでしょ!!」
「そうは言っても…さっきもお話しした通り、このダンジョンで出れそうなのって言ったらあの吹き抜けをよじ登ることですよ?それに考え方によっては、食べ放題無料の住居と捉えることがで来ますし。」
正直割りと悪くない。と、言うかお外怖い。
「その食べ放題無理命がけすぎない?」
「いやぁ、俺にとってはコンクリートジャンルの方が命懸けでして…。」
「………君ってさ、社会不適合者?」
言葉選びって知ってますか?
「…そうですよ…ずっと引きこもってたんです!!」
「なんだ、私と一緒じゃん。」
返ってきた予想していなかった言葉。
「だいたい、社不じゃなきゃ配信者なんてやってないっての。」
なんかちょっと納得してしまった自分が居る。
「そうだ、一樹くんもやってみる?ダンジョン配信。」
「え!?」
「って、言うかそうだった。君そう言うの苦手だったね。ごめん。」
「い、いや、謝んないでくださいよ。その…ちょっと興味はありますけど…。」
「ホントに!?よし、なら決まり!私の相方ね!!」
なんか、話が勝手に進んでいく…でも、こう言うのもアリだな…。
「そうと決まったら…ここから出るぞー!!」
拳を突き上げそう叫ぶ彼女。この人なら信じてもいいかもしれない。ちょっと希望が見えた瞬間だった。
――――――――――出口ねぇです。
「出口…ない…。」
「…ないですね。」
あの誓いから1週間。俺の行ったことある場所には粗方マッピングをし、その上で未開拓の場所を探索しながら地図を書いたのだが…なんもない。
「は、あはは!」
「こ、壊れた!?」
もう変な笑いが出るくらいなんもない。やっぱよじ登るしか無いのかな…上。
「あぁあ…地図完成しちゃったし…もうどうすればいいんだか…。」
適当にスマホをスクロールし、ダンジョン最下層の全体像を把握する。
「…ん?」
「どうかしたの?」
「このダンジョン、なんか変なんです…。」
「なんか変とは?」
「…七瀬さん。ダンジョンに置ける探索の基本と言えばなにか解りますか?」
「え、えぇと、油断しないとか?後は中央部分はボス部屋だから最後に探索するとか?」
「そう。ボス部屋には何があるか解りますか?」
「そりゃあ、特別な宝箱だね。あと次の階層に繋がる階段。」
「正解です。では、それを踏まえて今回俺たちが作った地図を見てみましょう。」
そうして、俺は探索したダンジョンの全体像を七瀬さんに見せる。
「何か、気がつくことはありますか?」
「気がつくことって言っても………!!」
あからさまに七瀬さんの表情が変わった。
「一樹くん!!これ中央部分無いぞォッ!!」
俺達が作った地図。そこには中央のボス部屋はおろか、階段すらない。そこから考えられることと言ったら1つ。
「そうです…ここ、そもそも隠しエリアなんです。」
「つまり…中央に向かう隠し通路が何処かにある…ってこと!?」
「俺の見立てだと、そう言うことになります。」
「一番可能性がありそうなのは!!」
「ここですね…。」
画面を大きくして見せる。
「ここって…。」
「はい、俺と七瀬さんがはじめてあった場所です。アパートの瓦礫が散乱してる場所。きっとここに...隠し通路があります!!」
あそこならダンジョンの内側に隣接している。それに瓦礫が多く、探索もおざなりになっていた部分がある。あれをどけることが出きれば…俺たちは脱出ができるかもしれない。
俺も…引きこもりから脱却できるかもしれないのだ!せっかくのチャンス…俺はやってやる!!
『課題―――出るな』
…え?
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