調査レポート①
東海地方のA島には【御坊会】と呼ばれる風習があると言われている。御坊会は「ごぼうかい」と読み、島の若い男性(13〜23歳)で結成されるらしい。元々は漁師見習いの男性たちが共に寝泊まりして、一人前の漁師になるよう「御坊宿」という建物で共同生活をしていたそうだが、現在は共同生活はせず、消防活動やボランティア活動をする集まりとなっているそうだ。
なぜ伝聞系なのかというと、現在の島民に御坊会のことを尋ねても、誰もその存在について知らないという。昔から住んでいる老人に聞いても、初めて耳にする言葉だという。
御坊会に所属していると思われる年代の島民に尋ねても、誰もが初めて聞く言葉だという。
ところが、船で20分ほど離れた隣の島ではA島の御坊会についての話を聞くことができる。またA島から最寄りの本土の漁村でも、A島の御坊会について知っている人がいる。
A島では語られることのない御坊会が、周辺の島や村では語られる。残念ながら、今回の調査ではそれ以上のことはわからない。
しかし、A島周辺の地域から聞くA島の御坊会という風習は、今でも続いているかのような印象を受ける。消防活動やボランティア活動など、特段忌み嫌うような風習ではないのに、なぜ島民は御坊会について口を閉ざすのか。
引き続き調査を続けたい。
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