鬼・嗚児
オラトモはその話を聞いてから、鬼ヶ島について調べ始めました。謎のサイトに飛んだり、実際の新聞を取り寄せたりと今まで熱中してきたどれよりも熱中して情報という情報のすべてを調べ上げ、理解しました。両親が言った島は鬼ヶ島と確かに近い場所にあり、鬼ヶ島の住民が接触することは容易です。
オラトモは実際にその島に行ってみたいと考えました。ですが、その島まではオラトモがいる場所からは少し離れており、日帰りできる距離ではありませんでした。少なくとも3日必要です。オラトモは3日以上の休みが取れる日を探しました。再来週は祝日が続いて4日連続で学校が休みです。カラフトは準備を始めました。
祖父母にこのことを話し、その島に行くためのお金をすべて払ってくれることになりました。次にオラトモはその島に行く方法を調べ、その船のチケットを取りました。リュックに持ち物を詰め、具体的に聞くことについてメモ用紙に書きました。学校に行っている間もそのことについて考えていて、授業を聞いていないことが増えてしまいました。
そんなことがありながらも、いよいよ出発する日になりました。その島の宿もとってあります。あることを除き、準備は断端でした。学校から出されてしまった課題を大急ぎで鞄に詰めてオラトモは家を出ました。港までは祖父が車で送ってくれました。
港に着いた船は所々がさび付いていて、長年使われているものだということがわかります。オラトモは多少の疑問を抱きつつ、乗るしかないその船に乗り、島を目指しました。近づくにつれて詳細が確認できるようになったその島は、事前のリサーチ通り、人口が少なく、建物もまばらに立っています。中央に一つだけ山があり、木々が生い茂っていました。島の港に着くと、歓迎の垂れ幕がありました。その垂れ幕を通り過ぎ、町に入ると、たまに車が通る道に所々真新しい家や少し古びた店がたっています。オラトモは宿に向かうことにしました。港から少し離れた場所にある宿は老舗の雰囲気が漂うものでした。部屋に荷物を置いて必要なものだけをリュックに詰めると、オラトモは再び町に出ました。
オラトモは適当な店を探し、聞き込みをすることにしました。
「鬼ヶ島?知らないね。どんな島なんだい?」
それが最初に入った店の店主のおばさんが放った言葉でした。ほかにも数か所回りましたが、どの店も高齢が多く大した情報は得られませんでした。オラトモは情報が入ってきそうな港の受付にも聞いてみました。案の定情報は得られませんでしたが、代わりに山の頂上に神社があることを知りました。町ができて最初期にできた神社らしく、そこには何かが残っているかもしれないとのことでした。その日はもう夕暮れだったので宿に戻ることにしました。
次の日。オラトモは山を登ることにしました。山を登るための準備はしていませんでしたが、幸いなことに山道はきついわけでもなく、事前準備なしで頂上に登れるようでした。頂上に到着すると、うわさ通り神社がありました。そこにいた何歳なのかの判別がつかない神主の方に昨日と同じ質問をしました。意外なことに神主は鬼ヶ島のことを知っていました。その神社から見ることができるようでした。実際に見せてもらうと、その島はまさにおとぎ話に出てくるような島でした。暗い岩肌に包まれ、断崖絶壁です。オラトモは神主にそこに行ったことがあるのかを聞きました。
「あぁ。一回だけあるよ。島に上陸したわけではなくて、周りを一周しただけだけどね。ほかの神主で上陸したことがある人もいたらしいけど、今はいないからなぁ。」
驚愕でした。まさか本当に接点があったなんて。オラトモは思わず数歩後ろに下がりました。さらに神主は色々なことを話しました。そして、両親がこの島にいたころにちょうど鬼ヶ島に上陸することができた神主がいたことがわかりました。両親が島を出て少しした頃にいなくなったことも分かりました。
次の日、オラトモは島を出ました。
神主は、
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