編集済
この四つの連は、相互の関係性はない文章なのでしょうか?
全体を統合するような線などは特に読み取れないようにも思えるのですが、では別個の作品と読むのが正解なのかと言うとそうでもなくて、これらの断章をひとまとめにこの順番で味わえばこその、何らかの色合いが隠されているように見受けられます。あるいはそれが「観測者効果」であり、「不確定性原理」ということなのか。
すべて計算ずくという文章ではないものの、連それぞれがインスピレーションに富んでいて、幻想散文詩とでもよぶべき趣がありますね。眺めていて飽きない、不思議な色合いの鉱物標本のよう。
ところでダイヤルの話って、今の三十代から下の若いのに説明無しで通じますかね? いや、だから注釈を入れるべきという話をしてるんじゃないんですが w
作者からの返信
評価&コメント、ありがとうございます!
さすが、するどいご高察。
連同士の関係性は、なくはない。でもそれは(少なくとも私にとっては)論理的に説明できるものではなく、インスピレーションの結果であるような気がします。
>眺めていて飽きない、不思議な色合いの鉱物標本のよう
ありがとうございます。最高にうれしいご感想です!
……そして確かに、言われてみればダイヤルの話は、その通りかも!('Д')
おっしゃる通り、だとしても何もできないのですが(悲)
編集済
淫靡な香りの漂う綺想の世界に酔いしれてしまいました。素晴らしいです。
実は皆川博子先生の断章も読んでから、本作品を拝読させていただいたのですが、そうするといろいろと解釈や考察をしたくなってきてしまって一日中この作品のことを考えておりました。
サブタイトルの「観測者効果」はミナガワ様が皆川先生の断章を読んだことで生じた(この作品が生まれた)ともとれるし、そうすると「不確定性原理」は二つの作品の間にある不確定性(観測者たる読者からすると測定(解釈)の限界)を示唆しているのかな、と思ったりしました。つまり「オリジナル」と「リスペクト作品」の二つを同じ解像度で捉えることはできませんよ、という注意喚起であり、あるいはもっとマイルドに表現するならば、そのまま見たものを、感じたものを受け取ってほしいというメッセージともとれるのです。
でありながら、二つの作品は「オリジナル」と「リスペクト」という単純な関係性ではないとも思うのです。まず皆川先生の断章は「水あるいは液体」で繋がっている(と読むことができます)が、本作品は「穴」がそれぞれを繋いでいるように見えます。(この場合、樽や屑籠の入り口も広義には穴ととれると仮定しています。)そうすると、これはまさかHall effectを意識しているのか?と理系脳の私は考えました。ホール効果は電流(この場合は皆川先生の断章)に対して、垂直の磁場(本作品)をかけた時に、二つの軸に直行する方向(私のような両方を読んだ読者)に起電力(早口でいろいろ語りたくなる力)を誘起するものなので、これはすごいと思った次第です。
まったく見当違いのことを言っている自覚はあるのですが、いろいろ考えたくなってしまう本当に素晴らしい作品でした。
あと私なんかが皆川先生の作品を読むとその圧倒的な世界観にすぐに呑み込まれてしまうのですが、そのあたりきちんと消化しつつ敬意を持ってご自身の表現に変換されているのはとてつもないことだと思いました。
長々と語ってしまって申し訳ありません。あらためてミナガワハルカさまという作家に惚れました。
(あ、ちょっと説明が抜けました。穴(hole)からhall effectを連想されるという意味です。失礼しました。)
作者からの返信
もったいないコメントをいただき、ありがとうございます!
拙作にそんな過分な評価をいただけるなんて。
恐縮してしまいます。
皆川博子様の尻尾の切れ端でしかないですが、雰囲気だけでも楽しんでいただけたなら幸いです。
なるほど、「穴」が作品をつないでいる。
確かにそうかもしれませんね。
自分ではこれを書くにあたって、極力、理屈を捨てて、直感と連想でつなげていったので、まったく意図はしていなかったのですが。
それだけに、まるで精神分析をされているようです(笑)
こんなに真剣に考えていただけるなんて、作者冥利に尽きます。
本当にありがとうございます!