第7話 悪滅団と常習犯と特訓
「おい面貸せやオラ」
「なんでだよ」
―――――連れてかれた
―――――
連れてかれること3分、カップラーメンができた
うん、うまい
連れてかれることさらに1分、4分かかるカップ麺ができた
あ、食われた
連れてかれることさらに1時間、歯に挟まっていた謎肉がやっっっと取れた
天に拳を思いっきり突き上げた――――らヤンキー犬に当たってしまって……その後の記憶はない
―――――
「……っんん?ここはどこだ?」
「やっと起きたか…」
多分お前のせいだと思う
俺達はこの県で10番くらいに高いビル(情報源は俺の目)にいた
ヤンキー犬は慣れた手つきで自動ドアを破壊する
そして俺を引き連れて中へ入ると、そこには顔を引き攣らせて笑う受付の人が立っていた。
本当にウチのヤンキー
ヤンキー犬は自動ドアを破壊したことなんて知らんみたいな顔をしながら受付の人のところへ行くと
「こいつが悪滅団に入りたいらしい」
とても自然な流れで嘘を吐いた。
おい、俺は「入りたい」なんて一言も言っていないぞ
ガツンと言ってやりたかったが殴られそうなのでやめておいた
「…は、はい、分かりました…アハハ…」
相変わらず引き攣らせた顔で返事をすると
「で、ではこちらへ…アハハ…」
完全に「アハハ…」が口癖になってしまった受付の人は隣りにある扉を開いた。
ヤンキー
俺は逆らえない
少し進むとエレベーターがあり――
ヤンキー犬はそれをぶっ壊した
「……おい、さすがに壊しすぎだろ」
「いや、これは罠だ」
えーまじか
すると、エレベーターがいきなり落ちて10秒後たって
ドカァァン バゴォォォン
という音がした。
犯罪者に命を救われた
なんか悔しい
「ほら、こっちだ」
俺はまた連れてかれていった
しばらく歩くと扉が見えてきた
ヤンキー犬はそれを破壊すると
「たのもー!」
……もう驚きはしない
俺はそこでなんか知らんけど悪滅団に入ってしまった。
―――――家
「おい、特訓するぞ」
犯罪者からそんなことを言われた
おそらく特訓という名の拷問だろう
「なんでだよ」
「今のお前は弱すぎる、もっと力をつけないと…死ぬぞ」
犯罪者はいつになく真剣な顔でそう告げた
そんなに真剣な顔で言われたら断れないじゃないか
――――
「今日は筋トレだ!腕立て1000回、腹筋1000回、背筋も1000回ダァ!」
なんか一桁多くないか?
「ハァ!ハァ…!」
「オラオラ早くしろ!!倒れ込むなァ!」
…やはり拷問だった
「次はこっちだ!ついてこい!」
と言われ、ついていくと…
ゴァァ ゴガァ
トレイターが大量にいた
「実戦だぁぁ!!」
早ぇぇよ!!
【火の剣】
しょうがなく戦闘体制へ移る
右から紫弾が飛んで――頬を掠める
ズババッ
近くのトレイターを斬る
飛散する紫色の血
だがお構いなしに剣を振るう
近くのトレイターは殲滅完了だ
攻撃が止まった一瞬で周りを見渡す
まだ十…いや二十近くいる
ヒュウッ
身を縮めて拳を回避すると、その腕に向かって剣を振り上げる
スパンッ
勢いそのまま左斜め方向へ剣を振り下ろす
シュウゥ
一体消滅したが、まだまだいる
ポタッ…
手に溢れてくるのは汗
疲労が込み上げてくる
「ハァ…ハァ……ガッ…!」
紫弾が肩に直撃した
一瞬の油断が招いた結果だった
「痛っ…!」
「耐えろ、優太!!」
「ぐっ……オラァ!」
紫弾を撃ってきたトレイターに近づき、両手を斬り落とす
肩が痛むがそんなこと気にしている場合ではない
【火の剣:火炎突き】
周囲のトレイターも巻き込んで剣を突き出した
何体か同時に倒すと
ガァァ
キンッ
後ろから迫っていた気配を感じ取り剣で防御
剣で弾くと
そのまま追って倒す
スパッ シュウゥ
「ハァ…ハァ…数は多いけど一体一体は弱い、体力が持てば倒せる…!」
残りはあと4体となっていた
――と、思っていた
「――!?」
ドガッ
後ろから殴られた
気配を感じ取ったときにはもう遅かった
「ウッ……!」
まだいたのか!?いや、コイツらさっきまでいなかった!?
ギンッ
また拳が飛んでくる
ガンッ
ギンッ
防戦一方になってしまった
ふと奥を見ると、まだぞろぞろとトレイターの軍隊らしきものがやってくる
「くっ……!」
【火の剣:火炎断ち】
なんとか目の前のトレイターを倒すと、後ろの4体に向かって突撃する
スパッ
一体目
ザンッ
二体目
ガガガッ―ザシュッ
三体目
「ハァ…あと、一体ッ…!」
スパッ
片腕を斬り落とす
ドガッ
だがもう片方の腕で殴ってくる
ザシュッ
もう片方の腕も斬り落とす
胴体を斬ろうとした刹那、紫弾が飛んで――あわやのところで身を反らせて避ける
そのまま倒れ込む
だが攻撃は止まらない
次の紫弾
ヒュッッ
頭を傾けて回避
次の紫弾
スパッ
起き上がりながら剣で斬る
【火の剣:火流斬】
胴体を斬り落とし、撃破に成功する
するとそこにトレイターの援軍がやってくる
「くそっ…またか」
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