第6話 ヤンキー犬とサバイバル②

歩いていると、道が木に塞がれていた。

「…どうする?」

「木を折るか斬るしかねえだろ」

じゃあ剣で…と思ったら近くに斧があった。

さっきのぶどうもそうだけどすっげー親切だな。

斧を持って振り下ろす


ガギィン


いや、木を伐るときの効果音ではない。

だがその音はたしかに木を伐ったときに発された

「あ、それ鉄木だからその斧じゃ無理だぞ」

いやなんだよ鉄木って…と思いながらもう一回斧を振る


バギィン


斧が割れた

木を伐ろうとしただけなのに

斧が割れた

もう一回言おう

斧が割れた


さっき、一瞬でも親切だと思った俺を殴り飛ばして唾をペッペッペぺぺぺペッとかけたい気分だ。

「そうなると思ったぜ」(キラン☆彡)

うぜーなこいつ

「…じゃあどうすんだよ」

「ん?あぁ、こうする」

と言って鉄木を殴る


ボギィィ――バタンッ


優太は目を丸くした

斧を振っても折れないような木が、犬の殴りで折れたのだから―

「ほら、行くぞ」

ヤンキーこいつ実はトレイターでしたって言われても納得できるんだが…

とりあえず黙ってヤンキーばけものについて行った。



しばらく歩くと『ごーる』と雑な字で書いてある看板を見つけた。

「はああ、やっとゴールか〜」

フラグが立ち、回収されるのに0.1秒もかからなかった。


「優太!」


俺はヤンキー犬に背中を押され倒れ込んだ。


隣を見ると、鉄木に大きな凹みができている

もう片方の隣をを見るとなんか額に十字の印があるトレイターがいた

俺は剣を握る―

そして鞘から抜く前に次の攻撃が飛んできた

濃い紫色の玉をすんでのところで剣で受け止める―

が、受け止めきれずに後方へぶっ飛ばされた


ヒュウ―ドカッ


「痛っぁっ……!!」


背中がジンジン痛む

「大丈夫か!」

ヤンキー犬が駆け寄って来る

「…っ、あいつはなんだ?」

俺は痛む背中を擦りながら疑問を投げる

「…おそらくここのボス的な存在だろう。今までのやつより強い。」

「じゃあ、こいつを倒さないとゴールには行けないってことか…」

俺は剣を抜き

「よしっ、いくぞ!!」

ヤンキー犬は拳を構え

ダッッ

地面を蹴って突撃した



【火の剣】


ギンッ

ドカッ


―俺たちが2人で攻撃してるのに一発もはいらねぇ…!

紫色の玉(これから先は[紫弾]と名付ける)も飛んでくるため少しでも気を緩めるとボッコボコのギッタギタでボッロボロになりそうだ

トレイターの拳を剣で受け止めると、次は紫弾も飛んでくる

優太はそれを紙一重で躱し、やっとトレイターに一撃を叩き込んだ―


ガガッ


だがそこまで効いていない、技でないと傷すらつけられないだろう。

「優太!俺がこいつをひるませる!その隙に技を叩き込め!!」

「おう、わかった!」

と返すと、技の準備にとりかかった。


ヤンキー犬は腕を【筋骨隆々】にすると

【ヤンキーな犬の筋肉ムキムキになった腕ATTACKッッッ!!】


ドガァッ


技名がダサく、そして長いが威力は凄まじい

宣言通りトレイターをひるませることに成功した

「今だ!」

「おう!」


【火の剣:焔舞えんぶ


俺の全力を込めた剣は、トレイターを斬った


ボオォ―ザシュッ


だが、斬れただけ―消滅には至らない


「くそっ…!」

「まだダメージが足りないか…」


トレイターが反撃の紫弾を飛ばしてくる


ズバッ ベシッ


俺たちはそれを防ぐと

「優太、あと少しだ!気合い入れてけ!!」

「おう!!」

自分たちを鼓舞して敵に立ち向かう


――

俺たち逆方向へ走り、挟むようにして戦う

拳を避け、紫弾を斬り、たまに反撃

――

俺と優太は敵を挟むように戦う

拳を舐め、紫弾を喰い、たまにこちょこちょ

――


…ん?あいつ、戦ってるか?

あいつと目が合うと、ヒューヒューと言いながら目を逸らしてくる

…あ、こいつ舐めプしてやがる

俺がこんなに本気で戦ってるっていうのに

なんかムカついてきた。力が湧いてくる。


【火の剣:火流斬】

【火の剣:火炎断ち】

続けざまに2連撃、そして最後の一撃


【火の剣:焔舞】


舞のような剣の運び

振り下ろされた剣は舞い、トレイターに最後の一撃を決め込む


シュウゥ


トレイターは消滅した

「ハァ…ハァ…よしっ!倒したぞ!」

「おう、よくやった」

まあ、お前が本気で戦ってればもっと早く終わったんだけどな?覚えてろよ


ごーるにあの手鏡が現れた

俺たちは手鏡に吸い込まれて……


気づくと俺の部屋の中にいた


――


「…結局なんだったんだ?あれ」

「さあな、まあ特訓になったから良いだろう」

「あ、お前さっき舐めプしてただろ」

「……ヒューヒュ―ヘブシッ」

とりあえず殴っといた

「……テメーェァァ!!!!」

すると逆ギレされ、ボッコボコに殴られた――

しばらく殴られているとだんだん拳を避けられるようになってきて、なんか特訓になりました

途中でなんか川が見えたけど気のせいだろう、うん気のせいだ


俺も反撃したりして

殴り合っていると、あっという間に夕方になっていた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る