第5話 ヤンキー犬とサバイバル①
翌日、ヤンキー犬は剣を作っていた。
ギンッ、ギンッ
鉄と鉄がぶつかる音がする
その『異能剣をつくるぜ!セット』はどこから盗んできたのだろうか。
朝食を食べていると、剣が出来上がったらしい、ヤンキー犬が俺を呼んできた。
「おい、剣できたぞ」
といって出来上がった剣を俺に見せてくる
正直言って完璧な出来だった。
すっげーピカピカだし、『異能剣をつくるぜ!セット』ってそんなにすごいのか?
「ありがとう」
といって剣を受け取ると、鞘におさめた。
予想以上の出来栄えに感心していると、インターホンが鳴った。
どうやら宅配らしい
俺は段ボールを受け取りヤンキー犬のところまで戻ると、早速段ボールを開封した。
そこには結構でかい手鏡と、手紙が入っていた。
手紙を読むと―
拝啓
レッツサバイバル!!
敬具
サバイバル大王
と、すげー綺麗な書道っぽい字で書いてあった。
だが書いてあることは意味不明である
この手紙は見なかったことにして、手鏡を持ち上げた。
普通のよりは少し大きいが、それ以外は何の変哲もないただの手鏡だった
「なぁ、これってなんだと思う?」
ヤンキー犬に聞くと
「知らん」
やはり知らなかった
なんだコレと手鏡を見ているといきなり手鏡が光った
―そして驚く暇もなく、俺とヤンキー犬は手鏡に吸い込まれた
―手鏡内
「どぅぅわぁぁぁ!!!?」
ドォーン
俺たちは結構な高さから落下した
「――っ、痛つぁーー!!」
「ほう、この程度か」
なんだこの犬
周りを見渡すと、木―木―木だった
「どこだここは…」
「Where is this?…」
英語にすんじゃねえよ、てか発音ネイティブ級で草
どこへ行けば元の世界へ帰れるのだろうか
なんて考える必要はなかったらしい
御丁寧に地面に矢印が書いてある
「…こっちか」
俺たちは矢印に沿って歩き始めた。
歩き始めて少し経つと、腹が減ってきた
ぐぅぅ
ぎゅぼ〜ん
ヤンキー犬の腹の音は少し特殊だった
「…腹減ったな」
俺はヤンキー犬の腹の音には突っ込まないでおいた
「そうか?」
ぎゅぼ〜ん
ぎゅぼぼぼぎゅぼぎゅぼ〜ん
くっそ腹減ってるやん
苦笑しつつ周りを見渡す
すると、木にはぶどうがなっていた
ラッキー
俺たちはそこで少し休憩した
「もぐもぐ…は?」
そのぶどうはくっそ美味かった
俺たちはまた歩き出した―
「ガァァァァ」
するといきなりトレイターが現れた
「優太!」
「おう、わかってる!」
俺は鞘から剣を抜き構えた
そのトレイターは額に強者の傷みたいなのがあった。なんか強そうである。
その瞬間……トレイターが消えた。
「…!?」
ドガッ
剣に衝撃が走る
「―っ!!」
俺はギリギリのところでふっとばされずに踏みとどまり
【火の剣】
反撃を試みた
トレイターの腕を斬り落とそうと斜めに剣を振るう。
ギギギッ
「硬っっ!?」
最初に遭遇したトレイターとは比べ物にならないほど硬かった。
斬ろうとした腕に気を取られていると、もう片方の手で殴りかかってきた。
すんでのところでヤンキー犬の手がとんできて衝突し、俺には当たらなかった。
「助かった!」
「おう!」
といいつつ、ヤンキー犬はトレイターの顔を殴りつける。
ドカッ
トレイターがひるんだ…ような気がした
今だッ!!
【火の剣:火流斬り】
剣の刃先を横にするように持つと、そのまま流れるように敵を斬った―
ザシュッ
初めて技を使ったけどうまくいったようだ
トレイターの腕が一本斬れ、紫色の血が流れ出た。
「うぇ、ちょっとグロ」
「なれる、安心しろ」
といい、ヤンキー犬は上に飛び上がった。
そして落下の衝撃を加えた拳がトレイターのもう片方の腕を強打する―
グシャッ
「…ん?」
いや、殴ったときの効果音じゃねえぞ?
トレイターの腕はもげた…
もうこれは強打として表していいのだろうか…
少し、いや結構引いているとヤンキー犬が怒鳴ってきた。
「ほら、早く止めさせ!!」
「はひ!わかりましたぁ!!」
あんなことしといてその後怒鳴られるともうどんなホラゲーより怖いだろう。これは体験した人ではないと分からない怖さだろう。
ヤンキー
【火の剣:火炎断ち】
剣を縦に振り下ろし、トレイターを真っ二つにした。
技のおかげか、恐怖のおかげかわからないが何故かトレイターが少し柔らかく感じた。
シュウゥ
トレイターは消滅し、俺たちまた歩き出した。
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