〜Ⅲ-?-Ⅱ〜『黒』

辺り一面、色とりどりの美しい花園。

そこに立つのは、艷やかな長い黒髪を風に靡かせる美しい『人間』。


『彼女』は一人で待つ。

花園に似つかわしく無い、『赤に染まった白い彼』を。


吹き抜ける風が、一瞬だけ強風となり『彼女』に向かい吹き荒れる。


「………駄目じゃないの、『Blan』………また約束を破ったわね?」


『…『アーテル』』


『アーテル』の背後に立つのは、『赤に染まった白い悪魔』。


「幾ら私を護る為だからって、そんな『汚れた赤』に染まらないで…」


『………』


「綺麗なままの『白』で居て欲しいわ」





――『私のような『黒(闇)』に、貴方は似つかわしく無いのだから』

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