〜Ⅱ-終〜手がかり
「Blan」
『何だいユーリス?』
ベッドに腰掛けるとユーリスはBlanを呼び出した。
先程の事をまだ意識しているのか、何処か恥ずかしそうにもじもじしているBlanを目にして、可愛いな、と思考が寄り道しそうになるが、ユーリスはぐっと堪えて自分が手に入れた情報をBlanに話した。
『この国だけでは無かった、か…』
「うん、レズ先生とレス先生が消えた時点で人間には出来ない『事件』だよ、間違い無く悪魔…ちょっと天使も疑ったけど…」
最後のセリフをごにょりながらユーリスはBlanを見る。
『…天使に人間を攫うメリットなんてないぞ、ユーリス』
「…わかってるよ、あくまで人外の仕業と仮定しただけだから」
苦笑しながらユーリスを見るBlanに、ユーリスは少しむくれながら答える。
「Blanの方は何かわかった?」
『悪魔界をざっと見回ったが、絞り込むのは難しいな…。…ただ、一人だけ何かしら知っていそうな奴は居るんだが…』
「…?」
Blanにしては珍しく、かなり嫌そうな顔を見せた事に、ユーリスは興味を示し訪ねる。
「Blanにも苦手な悪魔?が居るの?」
『奴とだけは相容れないと断言出来る…悪魔の中でも一際有名で、普段は地上で人間に紛れて遊び呆けている。暇潰しとして人間をそそのかして戦争などを起こさせるような奴だ…』
「…Blanから見たらそりゃ相容れない悪魔だね…」
暇潰しで戦争を引き起こすなんて、人間からしたらたまったものでは無い、とユーリスは自分が召喚出来たのがBlanで本当に良かったと安堵した。
だが。
「何かしら情報を知っていそうなら、会わなきゃいけないよなぁ……」
『…奴に頼むのは最終的手段にしたいぐらいだったんだが……仕方ないか…』
「…そんなに嫌いなんだね…」
苦虫を噛み潰したような顔をするBlanに、ユーリスも苦笑いする。
「で、その悪魔は今は何処に居るかわかる?」
『…『闇世界』だ』
その言葉にユーリスは何とも言えない顔をした。
「こっからじゃめっちゃ遠いじゃん…しかも『闇世界』ってうちと全く交流が無いし…参ったな…」
『移動手段は問題無い。俺がユーリスを連れてワープ出来る』
「そうだとしても、あそこの国で人間に紛れた悪魔を探すなんて無理ゲーだよ…やるしか無いんだろうけど…」
ユーリスはこれから先大丈夫だろうか、と深い溜息を吐いた。
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