〜Ⅰ〜『夢』
――俺は、『夢』を見る。
――産まれ落ちる瞬間には死んでいる俺に、『命』を与えてくれた『悪魔』を。
――彼は、美しい白髪を背中に長く流し、額の右側には立派な角を持ってる。
――彼の瞳は限りなく白に近い、けれど濁った白ではなく、澄み渡る白。
――俺は、その『夢』を見ると必ず彼に手を伸ばす。
――どうしても、美しいあの『白い悪魔』が欲しくなるのだ。
――でも、彼を掴む前に俺は何時も『夢』から目覚めてしまう。
――その時の焦燥感は、届かない『恋』に似ているかもしれない。
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