おかしな学校

おかしな学校

　これは私が通っていた中学校のお話です。入学してすぐに気づいたのですが、女子トイレに鏡が一枚もありませんでした。しかし、手洗い場の壁には、かつて鏡があった名残の接着あとがあるのです。鏡が無いのは不便ですが、どの女子トイレにも鏡が一枚もない。その理由を聞くのも怖い。一体どんな曰くがあるのだろうか？

　授業中、何人かで教室の廊下を歩きながら、何かで壁を叩いていたりします。最初はみんな驚きますが、教師は平然とした顔で、相手にしないでと言う。この学校は何かがおかしい。

　制服を個性的に直したものを着ている先輩たち。眉を剃り、髪も剃り上げ、細いサングラスを鼻にかけて、眼光を光らせ下級生たちを威嚇します。

　卒業した先輩たちも遊びにやってきます。派手な装飾のスクーターに旗を付けて、独特なメロディのラッパ音を鳴らし、校内を走ります。すると、体育系の先生が出て行って、両手を広げて彼らを通せんぼして話しかけます。やめなさいとか言っているようですが、先輩たちは楽しそうに笑っています。

　先輩たちはみんな楽し気ですが、先生たちはどう思っているのだろうか？

　暫くして、分かった事ですが、女子トイレに鏡が無いのは、先輩たちが卒業するときに、記念に割っていくからだそうです。何度も割られるので、もう鏡を付けなくなったそうです。因みに、男子トイレも同じです。

　三年生の卒業式には、恒例の先輩たちの御礼参りがあるのだそうです。それで、警察の方々が来てくれていました。お礼参りって言うのは、お世話になった先生方に、先輩たちがお礼をするのだそうです。お礼って、どんな事かな？　分からなかったけれど、警察の方々が来て、先輩たちを追い返したようなので、良くない事をするつもりだったのかもしれません。

　やっぱり、この学校はおかしいと思います。