第3話 水面下
そうして私達は夏休み明けから秋休みまでの間、仲を深めていった。
クラス一の美男子の話や、マイナーなバンドの話、アニメの話、
それからゲームセンターでプリクラを撮ったり。
いたって普通の高校一年生をやった。
楽しくも、なんとなく駆け抜けていく日々。
なんてことない幸せなjk生活。
それは秋休みに入る少し前のこと。
彼女は突然語りだした。
_さくちゃんね、私早く死にたいって思ってるの。
ずっと死にたいと思ってるの。
だけど死ぬのって怖いじゃない。
だから生きているだけなの。
死ねないだけで生きているの。
私は内心傷ついた。死ねないだけで生きているのなら、
私と過ごすこの日々は彼女にとって一体何なのだろうか。
よく笑い、ホラー映画で眠れないと夜中に電話してくる
彼女からは想像もつかない、死を渇望しているような。
そんな言葉の数々。
そんなことを言いながらも、彼女は静かに微笑んでいた。
そして蛾は落ちる 浅瀬 凛 @sakura-60003
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。そして蛾は落ちるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます