私の決意

「そういえば……、ミナちゃんはあれから大丈夫だったかな……。モモちゃんを無事に見つけたけど、ボロボロになったと知って凄く泣いていたから……」


「「……」」


 私はポーションを飲み終えると、ミナちゃんがあれからどうなったのか師匠とマリア先輩に聞いたの。


「実はねアリシア……、ミナちゃんはアリシアより先に目が覚めて、それから仕事を終えたリタさんも呼んで、私とマリアも含めて4人で一緒にモモちゃんのことについて話していたの」


「そうだったんだ……」


「ミナちゃんはモモちゃんがボロボロになっていたことにショックで物凄く泣いて、そのことにとてもションボリしていたの……」


「やっぱり……、とても泣いてションボリしていたんだね……」


「えぇ……。自分が大切にしてきたぬいぐるみがボロボロになったんだもん……。悲しくなるのは当然ね……」


「うん……、そう……だよね……」


 師匠とマリア先輩からミナちゃんがあれからどうなったのか聞くと、私もとても辛い気持ちになり、胸が締め付けられるような思いだったの……。


「それからはモモちゃんが直り次第また来ることを約束として、ミナちゃんとリタさんを家に帰したの……。ミナちゃんは帰る時もずっと泣いていたわね……」


「えぇ……、そうね……。ミナちゃんの泣いている姿を見て、私たちもとても辛い気持ちになったわ……。何だか凄く申し訳なくて……」


「私も2人と同じ気持ちです……」


 ミナちゃんが帰る時もずっと泣いていたことに師匠とマリア先輩もとても辛い気持ちになったという話を聞いて、私も2人の気持ちにとても共感していたの……。


 こんな悲しい結末はいくらなんでもあんまり過ぎる……。何とか幸せな結末に変えなくちゃね☆!



「ちなみにモモちゃんは今どこにあるの?」


「モモちゃんはとりあえず私たちが預かってて、今はリビングの机の上に置いてあるよ♪ 良かったら見てみる?」


「はい、もちろん見てみます☆! モモちゃんが今どうなっているのか改めて確認したいので☆!」


「うん、了解♪ それじゃ、行こっか♪」


「はい☆!」


 マリア先輩からモモちゃんは今リビングの机の上に置いてあると聞き、私たちは早速リビングの方へと向かったの♪


 みんなで一緒に料理を食べる時とかはいつもここのリビングを使っているんだよね♪


「これがモモちゃんの今の姿だよ……」


「うん……。やっぱり森の中で見つけたときと同じで、とてもボロボロになっているのが分かるね……」


 リビングに到着し早速モモちゃんを見てみたんだけど、森の中で見つけたときと同じくやっぱりボロボロの姿のままだったの……。


 うぅ〜……、改めて見てもやっぱりとても辛いわね……。


「これが本当にモモちゃんであるかどうか、一応私たちも改めてミナちゃんが描いてくれた絵と比較して確認してみたんだけど、特徴とかが完全に一致していることからこれは本物のモモちゃんであることが分かったわ……」


「はい……。私も森の中で確認したので、本物のモモちゃんと見て間違いないと思います……」


 どうやら師匠たちもこれが本物のモモちゃんであるかどうか確認していたみたいなの。まあそりゃ……、これが本物のモモちゃんだとどこか信じたくない気持ちはあるよね……。


「とりあえずモモちゃんは私たちで直そうと思っているんだけど、アリシアはどうかな?」


「そんなのもちろん賛成に決まってます☆! だってミナちゃんを必ず笑顔にしたいから♪」


 マリア先輩から自分たちでモモちゃんを直すことに賛成かどうか聞かれた私は、迷わず賛成と即答で答えたの♪


「だよね、そう来なくっちゃ♪ それじゃそうと決まったら、私たちでモモちゃんを直すぞ〜☆!」


「「「オ〜☆!」」」


 自分たちでモモちゃんを直すことに私も賛成すると、マリア先輩の掛け声の合図と共に私も師匠もそれに合わせて続け、とても気合いを入れていたの♪


 待っててね、ミナちゃん♪ モモちゃんは私たちが必ず直してみせるからね☆!


「頑張って一緒にモモちゃんを直そうね♪」


「はい☆! もちろんです♪」


「私も頑張って全力で協力す――」


「「師匠は絶対にダメ!」です!」


「なっ!? もぅ〜、何よ! たまには私だってもしかしたら出来ることがあるかもしれないじゃない! むぅ~!」


 モモちゃんを直すことを決めると、師匠も何かしようとしていたので、私とマリア先輩は師匠を全力で止めたの。


 師匠は家事スキルだけじゃなく、裁縫スキルも壊滅的だからね……。でもそこが師匠の可愛いところでもあるんだよね♪ どこかで手伝わせようかな♪

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る