魔物を撃退し、そして……

「それなら良かった♪ 2人が無事だっただけでも何よりだよ♪ それじゃ、一緒に帰りましょ♪」


「そうですね♪ とりあえず今はそれが一番いいと思います♪」


 師匠は私とミナちゃんが無事だったことを確認すると、一緒に帰ることを提案したの♪


 多分師匠もモモちゃんのことについて色々と気になることはあると思うけど、今はミナちゃんを家へ安全に帰すことを優先する方が大事だもんね。


「それじゃ、ミナちゃん一緒に帰ろう♪」


「ん〜……」


「ミナちゃん?」


 ス〜……、ス〜……、ムニャムニャ……。


「ありゃりゃ……、どうやら疲れて眠っちゃったみたいね……。でもそれもそっか。モモちゃんを見つけるのにいっぱい歩いたりしたもんね。それに師匠が来てくれたことにより、きっと安心したからかもね♪」


 そろそろ帰ることにすると、ミナちゃんは疲れや安心からかぐっすり眠っていたの。


 ここに来て一気にその反動がきた感じね。それもそのはずでミナちゃん凄く頑張ったもんね♪


「もしかしてミナちゃん、眠っちゃってる感じ?」


「はい……。どうやらそうみたいです……」


「そっか♪ しばらくはそのままゆっくり眠らせた方が良いかもね♪」


「私もそう思います♪」


 私と師匠は話し合いの結果、ミナちゃんを無理して起こさずそのまま連れて帰ることを決めたの♪


 それにしても、ミナちゃんの寝顔何だかすっごく可愛い♪ 心がポカポカとして、とっても癒やされたかも♪


「それじゃ、帰ろっか♪」


「はい♪ よっと――」


 ドタン……。


「あれ?」


「どうしたの、アリシア?」


「体が思うように動かせないです……」


 ルミーナお悩み相談所に帰るため、私は立ち上がろうとしたんだけど全く立ち上がれず、体を思うように動かすことが出来なかったの……。


「ふむふむ……、なるほどね……。恐らく魔力を使いすぎたのが原因ね……」


「うぅ〜……、やっぱりそうですか……」


「さっきのシャドーウルフたちとの戦いでどれぐらいの魔力を使ったの?」


「ありったけの魔力を全て使いました……」


「全て……ね……。なるほど、それなら納得だわ。魔力は使いすぎるとその反動でその分力がなくなるから、全部使うと立つことさえままならないわね……」


「そっ……、そうだったんだ……」


 師匠曰く、魔力を使いすぎるとどうやらその分力がなくなるみたいで、全ての魔力を使った私は当然立つ力さえもなくなっていたわけなの……。うぅ〜……、魔力を全て使うとやっぱりその代償はとても大きいよね……。


「まあでも、魔力自体は睡眠やポーションとかで回復出来るから安心して大丈夫だよ♪」


「そうなんだ……、良かった……。そういえば……、師匠はさっきのシャドーウルフたちに対してどれぐらいの魔力を使ったの……? 何だか凄く気になっちゃって……」


「う〜ん……、さっきの魔法は1割も魔力を使っていないかな♪」


「うっ……、嘘……。あんなに凄い魔法だったのに1割も魔力を使っていなかったなんて……。あはは……、師匠はやっぱりとても凄いですね……♪」


 私が全ての魔力を使ってシャドーウルフを1体倒すのがやっとだったのに対し、師匠は魔力を1割も使用せず全てのシャドーウルフたちを倒したことに私は師匠の凄さを改めて感じたのと同時に、自分はまだまだだなと痛感させられたの……。


 うぅ〜……、私が一人前の魔法使いになるのはまだまだ時間がかかりそうかも……。


「今度また、魔力の増やし方とかを教えてあげるね♪」


「はい……、ありがとうございます……♪ そういえばマリア先輩は……?」


「マリアなら馬車を呼ぶよう私が頼んでおいたから、多分そろそろ森に来る頃だと思うわ♪ アリシアとミナちゃんが森に入っていくのを見て、何だか少し嫌な予感がしてきたから一応念のため、もしもの場合に備えて馬車を呼ぶようマリアに頼んでおいたってわけなの♪」


「そっ……、そうだったんだ……」


 マリア先輩はどうやら師匠から馬車を呼ぶよう頼まれていたみたいで、遅れて森にやって来るみたいなの。


「それと師匠の今の話で分かったんだけど、やっぱり師匠たち、私たちのことを見守ってくれてたんですね……♪」


「そうだよ♪ 私とマリアはアリシアとミナちゃんより遅れて出たけど、ほうきで空を飛びながら探していたから見つけたのは意外とすぐのことだったの♪」


「そうだったんだ……! 全然気付かなかった……」


「まあアリシアたちに見つからないように隠れて探したり、かなり高い場所から探していたりしたしね♪」


「そうなんだ……、なるほどね……♪」


「だけど森の中に入ったときは流石に心配だったから、マリアに馬車を呼んでもらえるよう頼んだりもして、助けに入ったわけなの♪ 一時はどうなることかと思ったけど、間一髪だったわね♪」


「そうですね……、本当にありがとうございます……♪」


 師匠とマリア先輩が私とミナちゃんを見守ってくれたこと、そして助けに来てくれた経緯を聞いて、私は改めて師匠に感謝していたの♪


 師匠とマリア先輩は陰ながら私を見守りつつ、もし危険が迫ってたらその時は全力でサポートするって言ってたもんね♪ 2人には本当に感謝感激です♪



「お〜い☆! みんなお待たせ〜♪」


「ふふっ♪ どうやらマリアが来たようね♪」


「そう……ですね……♪ マリア先輩も来てくれて……本当に良かった……♪」


 ガクッ……。


「アリシア?」


 ス〜……、ス〜……。


「あらあら♪ どうやらアリシアも眠ちゃったみたいね♪ もちろんアリシアも本当に頑張ったもんね♪ お疲れ様♪」


 マリア先輩も来てくれた安心感からか、とても安堵した気持ちになり、その影響で一気に反動がきて突然眠気に襲われ、そのまま眠ってしまったの。


 私もミナちゃんと同じく、ここに来て疲れや安心で一気に反動がきた感じね……。


「師匠、無事に馬車を呼んで――って、2人共大丈夫!?」


「心配しなくて大丈夫だよマリア♪ 2人共眠ってるだけだから♪」


「な〜んだ、良かった♪ 2人共倒れているのが見えたから、もう凄くびっくりしちゃったよ〜……。それにしても見たところ……、やっぱり何かあった感じみたいね……」


「えぇ……、その通りよ……。詳しい話は馬車に入ってから話すわ……。とりあえず今はアリシアとミナちゃんを連れて早く馬車に乗りましょ♪」


「そうですね♪ それが一番の優先ですね♪」


 私が眠ってからというもの、ここから先の記憶は全く覚えていなかったの……。

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