魔物を撃退へ

「グオォ〜ン……」


「「「グオォ〜ン……、グオォ〜ン……」」」


「はっ……、はわわわわ……」


「こんなの……、あまりに不利すぎる……」


 シャドーウルフの大量の群れを目の当たりにして、私とミナちゃんはそのあまりの恐ろしさから動揺を隠せなかったの……。

 

 ただでさえかなり強いシャドーウルフなのに、まさか大量の群れで現れてくるなんて……。一体何体いるって言うの……?


「グルル〜……」


 ジュルリ……。


「ヒッ……!」


「ぐっ……!」


 このシャドーウルフたち……、明らかに私たちを喰い殺そうとしているわね……。


「グォッ……、グォッ……、グオオォォ〜〜ッ!」


「キャ〜……!」


「アイスショット!」


「グオッ!?」


 カンカンカンカン!


「グオォ〜ッ!!」


 ズザ〜!


 するとここでシャドーウルフの一体が私たちを襲おうとしてきたので、私は氷魔法のアイスショットを発動し何とか身を守ることに成功したの。


 ただ……、私の魔法だと一体を攻撃するのが精一杯ってところなんだよね……。複数相手だととてもじゃないけど全く通用しないのは確かね……。


「グルル……!」


「「「グオッ……、グオッ!?」」」


「「「グオォ〜………!」」」


「ハァ……、ハァ……」


「えっ……? いまのもしかしてアリシアおねえちゃんがやったの……?」


「そう……だよ……。魔法を使ってシャドーウルフの攻撃から何とか身を守ったの……」


「そうなんだ……。アリシアおねえちゃんはやっぱりとってもすごいね……。まもってくれてありがとう……」


 そして私はミナちゃんに今何が起こったのか説明し、それを聞いたミナちゃんからとても感謝されたの。


「どう……いたしまして……。ただ……、それでも絶望的な状況には変わりないわね……」


「「「グルル……!」」」


「うん……、そうだね……」


 改めて現在の状況を確認してみると、結局のところ絶望的な状況に変わりないままだったの……。


 というかむしろ……、私の攻撃で更に怒りを買ったような気がするわね……。


「「「グルル〜……!」」」


「ヒッ……! こっ……、こわい……」


「ミナちゃん、しっかり私に掴まってね♪」


「へっ……? うっ……、うん……、わかった……」


 シャドーウルフたちが再び攻撃を仕掛けてくると判断した私は再び魔法の準備を始めたの。


「ねぇ……、アリシアおねえちゃん……。いまからいったいなにをするの……?」


「今から私のありったけの魔力を全て使い切ってとっておきの魔法を発動させようと思うの♪」


「とっておきのまほう……?」


「そう♪ とっておきの魔法だよ♪」


 シャドーウルフに対抗するため、私は全ての魔力を使い切って最大限の魔法を発動させることをミナちゃんに話したの。


「多分こうでもしないと、シャドーウルフを倒すのは不可能だと思ったの……」


「そうなんだ……。それでシャドーウルフはすべてたおせるの……?」


「ううん……、分からない……。もしかしたら上手く行かないかもしれない……」


「そっ……、そっか……」


 最大限の魔法を使ってシャドーウルフを倒そうと思うも、もしかしたら失敗するかもしれないと私はどこか不安を覚えていたの……。


 私の魔力だとシャドーウルフ全てを倒すことはほぼ不可能に近いと自覚しているしね……。


「でもとりあえず今は、私に出来る限りのことをしようと思うの……」


「アリシアおねえちゃん……」


「それにもし仮に上手く行かなかったとしても、私たちには2心配しなくても大丈夫だよ♪ きっと絶対に来ると思うからそれまで信じて待とう♪ ねっ♪」


「えっ……? ふたりっていったい……、あっ☆! うん、そうだね♪ わたしもしんじてまつ♪」


 私の魔法がもし仮に上手く行かなくても、2が必ず私たちのところに来て助けてくれることを信じていたの♪


 私の言う頼りになる2人というのはもちろん師匠とマリア先輩のことで、2人なら絶対この状況を何とか出来ると思ったの♪


 師匠とマリア先輩は恐らく既にどこかで陰ながら私たちを見守ってくれていると思うから、それまでは私がこの状況を何とかして2人が必ず来てくれるのを信じて待たなくちゃね♪


「「「グルル〜……!」」」


 よし……☆! これでとりあえず魔法を発動する準備は完了ね……♪ あとは私の魔力を全て使った最大限の魔法をシャドーウルフの大量の群れに放つだけだね……♪ 私のとっておきの魔法……、全身全霊フルパワーでぶつけてやるんだから……☆!


「「「グルル〜……、グオオォォ〜ッ!!」」」


「きっ……、きた……!」


「今ね☆! 私のありったけの魔力を全て使ったとっておきの魔法受けてみなさい☆! 行くよ、ファイヤーボール☆!」


 ボーン……!


「グオッ!?」


 ゴオオォォ〜ン……!


「「「グオオォォ〜……!!」」」


 そして私は襲いかかろうとしてきたシャドーウルフたちの攻撃のタイミングを見計らって、ありったけの魔力を全て使った炎魔法のファイヤーボールを発動し、シャドーウルフたちに対して攻撃を放ったの。

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