第17話 意味わからん展開と六花と 映画館中編
前回のあらすじ。ウチこと小坂六花はお兄ちゃんと五月ちゃんのデートを監視していた。以上☆
(そう言えば私も異性な方と映画を見ています。それって……いやいや少女漫画の見過ぎです! でも……)
おっ、五月ちゃんの心境に変化が見えてきた。
(なんでしょう? この胸が内側から熱くなるような……やはりあなたが初恋なのでしょうね)
ほうほう。五月ちゃん、お兄ちゃんにどんどん好意を寄せてってる感じだね。それに、初恋の感情も見えてくる☆
さっきのカップル告白を間近で見てた影響なのかな。これぞ災い転じて福となすってやつだよね☆
(やばい、五月ちゃんが本格的にあの男へ好意を寄せてきている!)
(総理! 五月ちゃんの初恋が実る前に奴の狙撃許可を!)
ヤバっ。この期に及んで水を差す様な人達が映画館にいる。片っ端から通報しなきゃ。
ていうかそれよりも! お兄ちゃんを狙撃しようとする人が何処かにいるの!?
そんなことされたら色々とマズい!
「わちしに任せるだえ~」
「ティンコラス2世☆!」
「100年前から続く龍と狙撃手の戦い。これはその代理戦争なんだえ~! 溢れる野生で殲滅してくれるえ~!」
(ほう。やるか龍の末裔!)
◇将棋の間。ティンコラス2世と狙撃手は勝つまで出れない領域に囚われた。
「香車」
「水饅頭5個眷属が食べるえ!」
おお、なにかよく分からないけど白熱した勝負をしている!
「メガネを3枚叩き割り、オンサイド展開。ターンエンドだ。メガネの残骸が貴様を次のターン、八つ裂きにするだろう」
領域展開、メガネの残骸。次のターンこの領域を対処しなければ相手は負ける。
「面倒なことするえ~。ならばこちらはお茶をぶっかけるえ~!」
「ふむ、それなら我が暗黒コンボの影響を受けないか。次は昆布茶を味噌漬けにしてドラゴン召喚! ドラゴンを食べてターンエンド!」
「それならわちしは肩車で三点倒立するえ~!」
「しまった。これでは南斗ガトリング砲が使えない……ならば最終奥義! 中田さんを召喚だー!」
よく分からないけど、ティンコラス2世が劣勢に見える。
「なにぃ! しかもSSR物だと!? やむおえんえ〜。フィールド展開は受け入れるえ〜」
「そんな狡い手は使わん! 使い方を知らんからな!」
狙撃手のターンが終わった後、ティンコラス2世がいきなり立ち上がり、『意味わかんねぇー!』と叫びながら将棋の駒を投げ始めた。駒はたまたま近くにいた寝取り魔田中に当たった。
その時、ティンコラス2世はウチに向かって右目を瞬きした。目配せだ☆ウチはこの場をティンコラス2世に任せて先を急いだ。
◇後半へ続く
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