第6話 無事帰宅、だが想定外の出来事
駐車場に車を停めて荷物を持って月城宅の玄関ドア前まで走り到着。
「ふぅ......ツッキーの家が道路にすぐ玄関が面しているタイプの家じゃなくて良かったよ......これのおかげで道路のゾンビはわざわざこっちに来ないだろうしな」
とボストンバッグを地面に置く小谷。
「そうなんよ〜窓も玄関の上ら辺の良い位置にあるし、家の裏は他の家と塀があるし防衛基地にも使えそうだし。ただ難点は道路まで距離があるから家を出ないと外の正確な状況方がわからないんだよね......っとよし鍵はかかっていたから良かった。みんな一応正面立たないでね、開けるよ」
そういうと鍵を開けたドアを開ける、慎重に行ったがただ人感センサーで電気がつくだけだった。
「良かった......いや、まだ安心はするな............ただいまー俺帰ってきたよーダチ3人連れているけど食い物とか色々持ってきたから一緒に家にあげるよーー」
木刀を持ち、そう玄関から声をかけると奥の部屋のドアが開く。
「生きていたか!お前何故連絡しないんだ!俺達も電波が悪くて出来なかったけども......ってなんだその木刀は」
「え、ん?......あ、昔のアカウントにメッセージ送っていたわ!あー本当によかったぁ......はっ!早くみんな入って鍵閉めて!」
親の質問にも答えず、更に有無を言わせず友人達をリビングまで入れる朔。
「あ......その、どうも。高校生の頃に体育祭などで一応お会いさせてもらった小谷です。申し訳ありませんが、ご迷惑をお掛け致します」
「同じくその頃隣にいた女子の橋本です、よろしくお願いします」
と2人は頭を下げた。
「いーよいーよ、朔から最近でも話には聞いていたから知っているよ。そちらの外国の高校生?さんはどなたです?同級生......んな訳無いしなぁ」
と父が言う。
「すみません、私は朔さんに道中で命を助けて頂いたアレクサンドラ•ブランと申します。〇〇高校三年生18歳のフランスとロシアのハーフです。助けて頂いた流れで着いてきてしまい申し訳ありません、もし何かアレば直ぐにここから出ていきますので......」
「いやいや、そんな事はしないよ。大人が有事にそんな事をしていたら情けない。それに助けた
と笑う父。
「そうよ、ブランちゃんも何も気にせずゆっくりしていきなさいよ」
と母も言う。
「......っありがとうございます............」
と土下座しそうになったので朔が肩を掴み立たせる。
「床に綺麗な頭つける時様な事じゃないですよ、取り敢えず父さんと母さんも自己紹介してよ、ダチ全員家の中に入るのは何気に初だしさ」
と話を逸らして大事なことを言わせる。
「あーすまん。月城朔の父の
「私は
と微笑む母。
「って事で3人とも遠慮しないでね。取り敢えず、テレビはつくんだね。シャッターは全部閉めた?」
「ああ、閉めたよ。それに7チャンもこの騒動のニュース特番だよ、相当まずい事態って事だな。さっきなんてそこ十数キロ行ったところのモールの内部で車が爆走している映像が流れていたよ」
と父が言うと何も知らないブラン以外、苦笑いするしかなかった3人であった。
「水道、ガスは?生きてる?」
「今の所は大丈夫みたいねぇ......なんかみんな疲れている顔しているからお風呂入ったらどうかしら?」
「......お言葉に甘えさせて頂きます」
と小谷が言うと母が、
「そう固くならないで小谷君。私達はもう入ったから大丈夫よ」
と気遣う。
「ありがとうございます!じゃあ1人ずつ入るか......」
「いや、一気にお前ら2人入ってブランさんが1人で入って俺が最後に入る。ゾンビが来た時に備えないと............」
「えーツッキー私達と3P......むぐむぐ」
と話そうとしたバカの口を小谷が塞ぐ。
「仲が良いからといって3人で入るって場所が無いだろ?もう話している時間も無駄だから俺ら入るわ」
そう言いながら下着などを取り出し、場所を教えてもらい入浴した。
「はぁ......バカか」と小声で言う朔にブランが話しかける。
「私達も2人で入ります?」
と笑いながら言う。
「っ!そう言う冗談はやめなさいよ......とにかくブランさんは............」
と話を遮りブランが言う。
「思っていたんですけど呼び捨ててブラン......いやアレクサンドラのロシア語愛称のサーシャって呼んでください!それに何故貴方だけ敬語を言うんですか?」
と言うと望が反応する。
「俺の教育の賜物!」 「バカ言ってんじゃないよ」
と母にツッコミを入れられる。
「んーなんででしょうかね?他人には無礼が無いようにとしてきたから......それに心に壁があるのかなぁ......」
「なら壊しちゃいましょう!暫くは行動を共にするのですから敬語では咄嗟の指示に支障が出ますよ」
「たしかに......じゃあサーシャも敬語いいよ。敬語ってのは敬う為のものだからね、俺に敬われる所なんてないから......」
「だから、そう言う考えがダメなの!貴方は主人公で騎士様なんだから頑張って!」
この会話を聞いている両親は頭の中が?だらけであったが、悪い子を連れて来たわけでは無いことは簡単に理解した。
「サーシャは強いな」
(色々あったのに......今日で全てを失ったのに平常に振る舞う強さ......いや、絶対心に傷は付いている。大人の俺が何とかリカバリーしなければ......)
「ふふっ、ありがと」
そう笑うがやはり影を感じる、思えば出会いからの今に至るまでの発言でそもそもの日常生活に闇を抱えていたのでは、と考えた朔。そうしていると2人が出てくる。
「おじさん、おばさんありがとうございます〜」
と橋本が言う。
「水道、ガスが生きている間は毎日入るんだからわざわざいいよ」
「ありがとうございます!そうだ、ブランちゃんも入りなよ」
「では入ります!」
そう言いながら月城の腕を引く。
「え?」
「え?」
「2人で入るんじゃあ......?」
「いや、冗談じゃないんかい!今日会ったばかりの人間に心許し過ぎだよ!!入って来なー。おい、お前らは俺の部屋に荷物移すの手伝え」
そう言いながらその場を離れる月城の顔は赤くなっていた。ブランはブラジャーのサイズが合わない為ノーブラに、パンツと服は橋本から借りて風呂場に行った。
「......ちょっと調子に乗りすぎちゃった」
とシャワーを浴びながら呟くブランの顔は赤くなっていたがお湯のせいなのか、恥ずかしさなのかそれはわからない。そして入浴終了し2階の朔の部屋に入る。
「朔入るよ......わあ!すごい部屋だね、まるで映画みたい!」
「まぁ......自作の武器や買った武器飾っているし、工具とか部品の箱もかなりある......そしてモニター複数のゲーミングPCもあるから隠れ家というか秘密基地感はあるかも......足元気をつけてねサーシャ」
とブランに言うと橋本が違和感に気づく。
「サーシャ?サーシャってブランちゃん?ミドルネームあるの?てか敬語じゃなくなっているし!」
「あ!いや、アレクサンドラのロシア語の愛称がサーシャなんです!お二方も是非お呼びください!」
その発言を聞いて普通に童貞ではないが、童貞マインドの朔は特別感が減ったなと思った。
「んー俺はブランの方が文字数少ないからこのままで良いかな。でも改めてよろしくな!」
「私はブランちゃんのブランって白って意味があるから綺麗で好きだから、私もこのままがいいや!」
「そうですか!お好きに呼んでください!」
それを聞いてまた勝手に謎の安堵感を抱く朔。
「まあなんか適当に話してて、あと絶対そこと、そこら辺は触らないで。指がまだ5本でいたいならね。工具も触れないで」
そう言いながら風呂場に向かって出て行った。
「......わあ............!」
ずっと目を輝かせるブラン。
「ブランちゃんもこう言うの好きなの?」
「私もゾンビやアクション映画を見るので!まあここまで熱意と言うか趣味にしていませんが」
そう言うブランに小谷がある物を見せる。
「こいつこんな物まで作ってんだぜ、ちゃんと許可取ってるから安心して持ちなよ」
「えっ!これって銃......??マスケットじゃないですか?」
「そのマスケットだかは知らないけど普通に法律違反してこいつ銃とか作っていたからなぁ......電気に電子工作と木工に修理が得意だからな。ツッキーは学生時代に同級生に自作レーザーポインターを販売して20個前後売り上げているし、スタンガンも作り方指導で儲けていたな。スタンガン自体を売って揉め事になるのは避ける為だとか......キッチリした変態だよ......変態繋がりなら今はアダルトイラストで小遣い稼ぎしているな」
「すごい......」
(精神病でパッシブな中アクティブに頑張って色々しているんだなぁ............アダルトの事は聞いても良かったのかな......)
「ちょっと!ツッキーが怒るよ!」
と橋本が言うとブランは思った。
(やっぱりダメなんだ......)
そうしていると朔が部屋に入ってくる。
「ふぅ〜やっぱり風呂は最高だなぁ......おいっ!!俺が持って良いって言ったのはそっちじゃないぞ」
そう言いながらブランの手からマスケットを取り上げて確認する。
「装弾したのは過去1度だけど念の為確認......よし。はぁ......よかった。そっちのボウガンなら目に見えて矢が装填されていないかわかるから持って良いって言ったんだよ......」
「どれがどれかわからねぇよ!」
「ならやめなよ......今は特に怪我したくないしさ」
と彼氏の味方をしない橋本。
「まあいいや。何もなかったし、それより問題を解決していこうか」
「問題?」
とサーシャは首を傾ける。
「寝る場所だよ、サーシャは俺のベッド使って良いよ......臭かったら言ってね......橋本が普通に今寝転んでいるから多分臭くはないのだろうけど......お前ら2人は布団引きずり出してくるから床に敷いて寝ろ。寝る時に箱とか退かしてスペース作るから手伝え」
「ツッキーはどうすんの?」
と小谷が聞く。
「俺は薬の節約と作業を兼ねて寝ないから良い、PCの光が嫌ならアイマスクもあるから貸すぞ。不眠改善アイテムなら幾つもある、効いたのはほぼないがね。じゃあ俺はインターネットが生きているうちに設計図や地図とか役に立ちそうな物をダウンロードしておく」
そう言いながらpcの前の椅子に座る。全員がバカなのかと思った発言。
「寝ましょう......お薬の残りは?」
とサーシャが座る朔の肩を掴み言う。
「丁度1週間分だよ、明日薬局に行くよ。どうせやっていないだろうから強奪して来る。ここから数キロしかないから1人で原付で行って来る」
と計画を話す。
「いくらお前のご自慢の自作装備が良くても限度があるだろ......俺が車出すからよ、それに女子2人もお前よりフィジカルあるだろうから留守番させないで連れて行くべきだ」
「......俺の問題に付き合わせたくない。これでもし、もしだ誰か死んでみろ?俺は一生悔やみ死ぬまで後悔し続けるだろう、なら俺が死にたいんだ。死ぬのは怖い......本当に怖いんだ。夜に不安になる死んだらどうなるかって......この歳になってもだ。だがな大切な物を失うのはもっと怖いよ......」
情けなく心情を吐露する朔の目は潤んでいた。
「俺はそんなお前を何もせず1人で見送って帰ってこなかった時どんなに後悔すると思う?錯乱気味のお前でも簡単にわかるだろ?」
そう言われてハッとする朔。
「そうよ、みんな似たようなことは思うのよ。そもそも命賭けれる友人じゃなければ、こんなに頼ってないし助けないから」
と橋本も言う。
「私は出会って24時間も経っていないけど朔が死ぬのは嫌、恩人が危ない事をしようとしているのをただ見ているだけ、そんなに私ヤワじゃないよ」
そうお淑やかな顔で強気な発言。
「うぅ......すまねぇ......何度も何度も悪い......薬局は別に明日じゃなくても良いから話を変えよう。取り敢えず、持って来てくれた物は何?」
「えーっと言うべきなのは......」
そう言うと持って来た物を言い始めた。
藤原さんに貰った物全て
家にあった缶詰類全て(全てで10個くらい色々ある)
冷蔵庫にある物ほぼ全て
ゲーム機
バッテリー
電池
充電器全般
トランプ
ライト(数個)
紙と筆記道具
アルミホイル
ラップ
保冷剤
痛み止め薬など様々な常備薬。
剣道の道着と面、胴
など言い切れないほどに生存を有利に進めれるモノが色々とある。
「なんでゲーム機とかトランプ?あと剣道関連のも?」
「娯楽を失うと人間は意外とすぐにストレスで狂うから、ここを拠点に住み続けるなら必須。道着や防具は対ゾンビに活かせる、普通に考えて道着を噛みちぎれる歯と顎を持つ奴はいない。何でかゾンビ作品で道着使われないんだよなぁ......ジーンズとかライダースーツと一緒で丈夫なのに」
「確かに見ないねー」
とちょいオタクのブランも言う。そのタイミングでノックされる。
「あーい?」
「ご飯よ、みんな降りてなさい〜」
そう言われて降りるとステーキや刺身など豪華な物ばかりがあった。
「どうしたのこれ?」
「もうスーパーは機能していなかったから混乱に乗じてちょいとね......まあ、まともな食べ物が食べれる日は限られて来るだろうから大事な食事、夕食を楽しむとしよう!生物は冷蔵庫がダメになったら終わりだから今日と明日で食べ尽くそうかね」
恐らくパクって来た父は朔と同じくすぐ話をズラす。
「わあ!私お肉大好きなんです!なので減量中は気が狂いそうになりますが」
そう言いながらもがっつく事なくナイフとフォークで綺麗に食べるブラン。箸も美しく使い白米に刺身を食べる。
「減量?アスリートさんかい?」
父が聞くので母にも朔は説明した。
「すごいなぁ......」
「強く見せるために始めたら結構良い感じになってしまいましたの」
と笑い言う。
(強く......見せる?何から?いや、でも女性は自衛の為に普通か......)と朔は疑問を持つが食事は何事も無く終わる。
「おばさん俺がお皿洗いますよ」
そう言うと腕を捲り始めた。
「わざわざしなくても良いのにねぇ、ありがとうねぇ」
「じゃあ私も手伝う〜」
「わ、私はどうしましょう......」
「やる事ないし俺の部屋の物でも見てる?」
「あんたはいつも家事をしろと言っとるだろ!......まあ今回は良いか、それに今後は紙皿にラップした物を器にする予定だし」
「って事だから行こうか」
「えぇ!」
そうして入るとリボルバー風の銃を見せられる。
「すごい......大きい......」
「こいつは扱いが難しくてね......」
そう言いながら長いバレルを顔の前に持っていく。
「私の顔よりギリギリ長い......?」
「いや、サーシャの顔が小さいのもあるよ、威力はまあ所詮素人の自作銃だから有効射程距離15mかな、ライフリング加工もしていないし......てかそんな高等なモノは専用の器具が無いと無理......薬莢は金属3Dプリンターで作っているけど火薬と雷管が難しくてね。それさえあればメイン武器になるんだけど......まあ持ってみ、今実弾入っているから引かないでね、まあセーフティーあるけど」
「わあ......意外と重いのね」
「そうなんだよね、だから映画みたいに片手撃ちしたら俺の筋力じゃあ標準ブレブレよ......話が変わるんだけどさ」
とずっと笑顔で説明するが話をかなり変えて質問する。
「なぁに?」
と笑顔で朔の方を向く。
「......んん。これは出会って初日に触れる事じゃあ無いかもしれないけど......イジメられていた?」
「......っ!??な、何で......わっ!わ、私......そんなにデクの棒?やっぱりデカいだけで役に立たない?わ、私は......」
突然の質問にフラッシュバックしたと思われるブランはパニックになる。
「ち、違うんだ!ごめんよ、俺もイジメは止めて来たし何より経験した事がある。あの孤独感は耐え難いモノだ、サーシャの発言のネガティブな要素を繋げるとイジメられていたのかなって思ってデリカシーの無い事を言ってしまったんだ、ごめんよ......ただ慰めれたらと......心の支えを作ってあげたいと......思い上がってしまった、矮小なニートの俺がたかが出会って24時間も経っていない女子との関係だからね......」
そう言いながら衝動的に弾が入った拳銃のセーフティーを解除して自分に朔が向けようとしたので、ブランは焦って殴り弾き飛ばすと、
「私達傷の舐め合いしているのがお似合いかもね......生き残るのが目標なんだから、たかがこれで死のうとしないで。私の支えになりたいんでしょ?」
と顔を両手で挟み自分の方に向けて話す。
「ああ......そして、そのあとはここでは無いもっと安全な場所と屈強な男とかに引き渡して何とかサーシャ幸せになれる様に............」
そうウダウダ言いながら落ち着く為にCBDを取り出し吸うが、その朔の口を衝動的にキスをして塞ぐブラン。不意を突かれCBDベイプを落とす。
「ムッ!!?っぷはぁ......ど、どうして?それにゾンビ映画だとしたら、この展開はチープだしロマンスが早すぎて死に役に......」
「あのね?もうゾンビ作品は一旦忘れて。本当はもっと期間をかけて貴方の事を見るつもりだったけど変更。朔が良ければ男女の関係......つまり、付き合いましょう?もう貴方の精神不安定さは危なかしくて友人関係で見ていられない、これが吊り橋効果だとしても良いから......いや、この感情は嘘じゃない。まだ知らないし小さいけど大きくなると思うの。だからこの手を取って」
と女々しい朔と違い大胆に告白するブランの手を葛藤した後取る朔であった。
「自分を卑下したり否定して君の手を取らなかったら後悔すると思った。この手は離さない、これからゆっくり互いのことを知って生き抜こう」
そう言うと朔の方からカッコつけてキスをするがブランの方からディープな方に、いきなりのディープキスにたじろぐ朔だが互いを抱きしめあって部屋の真ん中で立っていると扉が開き友人2人に見られてしまった。
「?!え?お、おお?おう?おう???!?ツッキー念願の彼女?それも5歳下の?え?ん?マジ?」
かなり困惑している小谷。
「やっぱりツッキーに気があったんだねぇ〜チビで顔が普通な事以外は良い男だからねぇ〜〜なにしろ私は昔3......オッフ......まあ取り敢えず互いに触れられたく無い事とか知っておくと破局し難いよ」
まだ学習しない橋本は小谷にどつかれるがアドバイスもする。だが2人は抱きしめあった状態で固まっている。
「おーい、散々止めた俺が言うのもアレだがもっとすごい事しているだろー??」
と朔に言う。
「っ......はぁ......息が止まっていた......恋人とのキスの味は牛肉か......」
「ノンデリね、でもなんだか愛おしく思う。こっちは......何?草と桃?何吸っているの?まあ良いわ」
と言いながらまた朔に喰らいつく、約20センチの身長差で朔は捕食されているがジタバタするが現役ボクサーの力にはあまりにも不利であった。
「......俺ら出て行った方が良い?」
あまりの光景に小谷が言う。
「すみません、もう終わりました。今日から朔は私の騎士であり男です」
とGo⚪︎gle翻訳で直訳した様なことを言う。
「はぁ......肉好き肉食系女子............あと俺が吸っていたのはCBDっていう大麻の合法的な部位のリキッド、味付けがピーチフレーバーだったからかな」
平静を装い、そう言いながら再度吸う朔の手は興奮で震えていた。
「タバコだったらやめさせていたから良かったわ。あの臭い大っ嫌いだから............」
何かトラウマを抱えているのか、暗そうに言う。
「安心して、俺はそもそも喘息持ちだから吸えないから。あとこいつら2人もそれに両親も誰も吸わないから」
「そう......それは何より......」
「ねえ?ツッキー襲う程ぶち上げしていたテンションどこにやったの?大丈夫?」
と橋本が心配する。
「ちょっと......その......私イジメられていた事があって......と言うより今もそうだったんだけど......」
そう言いながら太腿の内側を見せると根性焼きの治りかけの跡が複数あった。
「......見えねえ部位選んで根性焼きかぁ......そりゃあタバコ嫌いになるよな、それにボクサーは一般人殴ると選手生命が終わるらしいな......だからブランを狙ったか。わざわざ他人の俺らに説明してくれてありがとうな。まあこれからの人生を楽しんでいこうよ、イジメてきた奴らは今多分碌な目にあってないだろうしさ」
とイケメンムーブをかます小谷に付き合って早々に取られるんじゃ無いかと心配になる朔。
「ありがとうございます!とにかく気になる彼の事を知っていってこの地獄になりつつある世界を生き延びていきます!」
そう言いながら朔に抱きつく、そこで取られる事は無いかと安堵する自分の事しか考えない男。
「ちょっと......嬉しいけど苦しい......」
ブランのボクサーと思えない爆乳に窒息しかける朔だがいい臭いがすると気持ち悪い事も思っている。
「ああ!ごめんなさい、私もお付き合いするの初めてで舞い上がってしまいました......」
と照れながら言う。
「え?そうなの?性格容姿全て良いのに?それを僻んでイジメてきたのか......」
「さあ......?ただ完全孤独では無かったので村八分よりはマシな感じだったけど............そもそも近寄ってくる男の人達は変な自信満々でセクハラしてきたり、気持ち悪い人ばかりなのでお断りしていました......それが原因だったのかなぁ......」
「ツッキーも気持ち悪い人かどうかなら気持ち悪い人だよ?」
と冗談で橋本が言う。
「おい!事実陳列罪!」
「なにそれ」
と笑いながらブランは言う。
「いや、まあ本当にあるのよ......って思ったんだけど詳しい自己紹介ってしていなかったからするべきじゃん?やろうや」
と朔は言う。
「じゃあ言い出しっぺよろ〜」
と橋本が朔のベッドに寝転びながら言う。
「んんっ......いざ言うとなると何を言えば............取り敢えず、月城朔、23歳で6/24生まれ。血液型はOrh-で好物は味が濃い物、甘い物全般で特に飲み物、酒、カツ丼とか?趣味はさっき言ったし特技も見ての通り以外だと......多分無いな!とにかく俺みたいな奴は死にがちだから生き延びたいのでよろしく!......ほら、橋本言ったぞ言え」
「えー......橋本未奈。ツッキーと年齢同じ、誕生日はまさかの1日ズレの6/23で血液型は確かBで。好きな食べ物は......いや、逆に食べれない食べ物言った方が早いや。パクチー、牡蠣、ナスが無理。特技剣道。趣味多肉植物の育成、だから持ってきた。取り敢えず、しばらくここに居座るからよろ〜〜じゃ一の番」
「うぃ......名前は小谷一、年齢同じく。誕生日は4/27で血液型A型。好物はスパム、ツナ、ステーキ、ケバブ。特技は運動神経には自信があるかな、趣味はツーリング、筋トレとツッキーに進められたゲームにハマっているかな。居座る分働くからよろしくな!じゃあブラン!特に詳しくお願いね!」
「う、うん!アレクサンドラ・ブラン、ロシアとフランスのハーフの18歳。誕生日は9/11で血液型はABrh-だから怪我しちゃうと輸血出来なくて危ないかも......好物はお肉、タルト、お寿司。特技はボクシングだけど他のスポーツも少しやった事ある。趣味は映画鑑賞や読書。アレルギーは特に無いのでそこは大丈夫......身長は184で体重は今計っていないからわからないけど高校生女子ボクシングの1番上の階級くらいの体重よりはあると思う。1番の部外者ですが馴染める様に頑張ります!」
「あ、俺も血液マズいな。それと俺もタルト好きなんだよ、特にチーズとフルーツの。あとアレルギー無いのはいいね。俺は喘息があるから......」
と朔は言う。
「私も同じ!でも今後は食べられなくなっちゃうのかな......」
「じゃあ、ケーキ屋に明日行くか!やってなければ強奪、営業していたら金を払う。それで吐くまで食べる分を手に入れに行こう」
「いや、snsやニュース的には外出を控えて自衛隊がゾンビを殺処分or収容するべく作戦を開始するとか......因みに米軍は全ての武器を持ち日本から逃げたらしい......」
「あーあ、今そんなに娑婆い事しながら焦って国から出たらアメリカにも広まっちゃうよ、まあ映画ならね......」
「じゃあどうする?物資も集め回れないとなるとやる事も無い。映画の様に一晩で世界......というより日本が崩壊しなかったから対応に困るな......あと職場に無断欠勤扱いされたりしたら困る......」
と小谷が腕を組んで言う。
「んー、じゃあ俺が銃持って徘徊しているとシンプルに逮捕されるのか......じゃあ対ゾンビ用自作スーツと近接武器だけで............」
「そんなものまで作ったの......」
と少し引く橋本。
「ライダースーツの福袋(160センチ用)が一万円だったから買って改造した。プロテクター以外にも手袋には電気が流れるし、武器をしまう場所や小型収納バッグを腰に装着してある。そして、この改造ヘルメットは自作のナイトビジョンで夜もある程度の距離までなら見える」
そう説明しながら着て全ての武装を持った。自作リボルバー、スタンガンを木刀につけたもの、自作ショットガン、さっき奪った警棒、マチェーテ、小型ナイフなど殺意が高い。だが大きな欠点があり重すぎて本人の筋力が雑魚の為に運用するにはフル武装では難しい。
「わあ......M⚪︎DMAXみたいに世紀末感ある......」
「そしてこれは俺の好きなFPSゲームキャラの盾を真似した物......フラッシュとかがついていて相手の目を眩ませる上に、しっかりした銃器など以外は割と防げるし、盾自体に電気を流して殴る事もできる。電流のところは俺のアレンジだ」
とどこかの特殊部隊のFPSキャラの防具まで作っていた。
「頭おかしい......」
と褒める橋本。
「まあまだ色々あるけど、どうせ世界がダメになったら死んだ自衛官や警官の武器を拾いメンテナンスをするのが1番だね」
「でもそこまでなるかな?自衛隊の力的に感染者を収容して治療まで出来ちゃうかも......それだとやっぱり私達殺人犯になる......」
「感染したら終わりなのに自衛も許さないとかあり得ないよ。それにそれを理由に逮捕していくと日本復興の枷になる。それより薬や生理用品、栄養剤とかドラッグストアで奪わないと本当にマズい。ゲームでは薬一箱で殺し合いにもなるし、とんでもない価格や、価値に見合わない物と物々交換されたり......」
「今は大丈夫だから。多分家の飲食物や薬類で2週間は持つから家で大人しく待機してよう。自衛隊の人達が来て物資をくれたり避難所が出来たり安全で安心できるかも......ツッキーの薬は是が非でも盗むか買わないとダメだけどね......」
「いや、自衛隊は信用するな。どのゲームや映画も軍は民間人を殺す事が多い。ただ待機していればいい......今は日が変わった頃か11/11に感染者が発生して12日には滅亡はせずともかなりの混乱状態に......」
「はぁ......嫌になるぜ。取り敢えず、寝ようか。今日は疲れちまったよ......」
「まあ私は稽古に比べたら全然だけど体力は温存しとかないとね」
そう言うとさっき言われた通り2人は布団を敷き始めた。
「じゃあ、親に伝えてくる。サーシャは俺のベッドで寝ててね。ちょっと作業したらちゃんと寝るから安心して」
そう言うと出て行った。サーシャは何かを言おうとしたが先に出て行かれてしまった。明らかに不満そうな顔している。
「やっぱりツッキーと一緒に寝たい感じー??」
と指で突きながら橋本が言う。
「ふぇっ!?え......まあ......」
と照れている。
「しかし、今日あった人にそこまで好きになれるかなぁ。あいつの何が良かったの?」
「私の肥満体型の兄2人と一緒に避難していたら2人とも発症して私を襲ったんです。そこで触らない様に持っていた傘を振り回して周りに助けを求めていたのに誰も助けてくれなかったんです。そこにあの人が来て変なネガティブな事を言いながらも助けてくれて......ずっと言っている吊り橋効果+助けに来てくれた時......とてもかっこよく見えた事が原因ですかね。まるで映画の主人公の様にわざわざ助ける義理も無い私の事に気づくと真っ先に来てくれたのが......それとなんだか放って置けない人だと思って一緒に居たくなったのです」
照れず真っ直ぐ発言する。
「あいつらしい。あいつは得意のコミュ力で中学の時にわざわざイジメの主犯と仲良くなってイジメをほぼ無くした事もあるらしいし、小心者と己を評価するが道でオッサンに絡まれている人を助けに行ったりしてたからなぁ......理由は夢見が悪いとか、見捨てた後悔を背負っていきたくないと言って自分勝手にやっているだけと照れ隠しに言う様なやつだ。確かに情けない所はあるが人を裏切るくらいなら自殺を選ぶ様な馬鹿だ。勝手に友人代表として、あいつの事をよろしくな!」
「はい!」
(死にたくないって泣きそうになりながら言うのに......とても優しい変な人だわ。いつか薬が必要無くなると良いのだけど)
そう思っていると朔はアイスを箱に入れて持って部屋に入ってくる。
「最高のサプライズ!1人2個アイス食っていいぞ!こんな贅沢は中々無い!」
とウキウキしてチョコの吸うタイプのアイスと苺味のケーキ風アイスを取る朔。
「まあ、こんな奴だ。頼んだよ」
と言いながらバニラアイスとかき氷風アイスを取る小谷。
「ねー。面白い変な人だから飽きないよ」
橋本はキャラメル味アイスとめちゃくちゃ硬い小豆のアイスを取る。
「えぇ!」
そう返事をしてコーラ味のアイスとレモン味のアイスを取った。
「なんの話?まあいいや、選ばれなかったアイスは明日食べると言う事で」
と言いながら戻しに行って戻ってくる。
「取り敢えず、俺の部屋の冷蔵庫にスポドリ2リットル2本入れて、ここに紙コップあるから飲みたくなったら勝手に飲んで」
そう言いながら朔はサイダーを飲んでいる。
「じゃあ、俺はもう寝る」
そう言うと橋本を抱きしめて寝始める。
「うぐっ......私も強制かよ......じゃあおやすみ〜」
と小声で言いながら目を閉じた。
「俺は椅子で寝るからゆっくり寝てね、おやすみサーシャ」
そう小声で言いながらブランの手にキスをするキザ野郎がpcの方に向かっていくが、それを止める様に腕を掴むブラン。
「!??」
「なんで付き合っているのに一緒に寝ないんですか?私そんなに魅力無いですか?」
と何故か敬語で少し怒っている様に言う。
「ち、違う!サーシャみたいな美人はそういねぇ!こんな事言ったら悪いけど一時の気の迷いだったら、こんなチビと一緒に色々した思い出が......」
そうまた言い訳をする朔を無理やり布団の中に引きずり込み絡みつく様に抱きつく。
「ぶふっ......ちょい、待ってわかったから薬飲ませて」
「絶対......ですよ?」
そうして2人は抱きしめ合い寝た。そして布団の2人は笑いそうになっていた。
(硬いけど柔らかい?柔らかいけど硬い?......俺の方が運動不足でブヨブヨだぁ......)
(なんか......ぬいぐるみを抱いて寝ていた頃を思い出す......安心......かなぁ)
そうして12日の朝まで全員起きずに眠った。
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