第21話 運命の夜

 その夜俺とルカは結ばれた。俺は初めてではなかったので、魔法でチンポを大きくして準備をしていた。ルカにキスをしてから、舌を入れた。俺はディープキスが苦手だ。舌にトゲトゲがついてチクチクする。それが、ルカは全くなかった。滑らかで弾力があり、俺の舌に絡みついた。俺は夢中になって舌を絡めた。ルカも本気に俺の舌を求めてきた。自然に手がルカのあそこに伸びる。「!?」いつもの感触とまるっきり違う。人差し指がにゅるにゅると吸い込まれていき、指が温かく締め付けられる。

 「あ、」

 ルカが吐息とも喘ぎともつかない声を上げた。

 「わたし、初めてだから。優しくして。」

 言葉とは裏腹に挿入した指から生暖かい液体が溢れだし、手首を濡らした。膣から人差し指を出し、上に擦り上げてみた。小さな丸いものに指が触れた。

 「う、」

 ルカがのけぞった。そうか、これがあれか。ウワサのアレなんだな。俺はキスをやめ、この球体にむしゃぶりついた。

 「いやああ、恥ずかしいぃぃ。」

 そう言いながらもルカは全身で感じている。初めての体験だ。数多のAVや同人誌で見た反応と同じだ。求めていたのはこれだ!やっぱりこの世界の他の女は紛い物だったんだ。

 しばらくルカを気持ちよくした後、おれはパンツを脱いだ。それを見たルカは泣き出してしまった。

 「嫌、そんなの入らないよう。」

 この世界でのセックスは直径15cmほどにしなければ擦り付けることもできなかった。しかし、ルカは違う。

 「実はこれ、本当の俺じゃないんだ。本当の俺を見ても嫌いにならない?」

 「なるわけないよ。本当のマサユキ君を見せて。」

 ルカの潤んだ瞳を見て、俺は魔法を解く決意をした。みるみるとチンポが萎えてきた。

 「これが本当の俺だ。変じゃ無いかな?」

 「ちょっとかわいいね。これだとお口にも入れられそうだね。」

 ルカはにっこり笑って、フェラチオを始めた。す、吸い付く〜。むくむくと勃起してきた。

 「あれ、大っきくなってきた!すごく大っきい!しゅごい〜」

 ヤバい。イキそうだ!

 「ルカ、これ、ルカに挿れてもいいかな?」

 ルカはハニカミながら頷いた。

 「い、いくよ」

 そう言うと俺はゆっくりとルカに挿入した。なっ、なんだこれは!この世界でのセックスは論外だが、前の世界で使っていたどんなオナホとも違う。暖かく、柔らかで、かといって締め付けも強く、チンポに吸い付いてくる。

 「ルカ、気持ちいいよ!」

 「マサユキくぅーん。私も!あ!あ!」

 俺は無我夢中で腰を振り続けた。

 「いっちゃう、いっちゃう!」

 この世界で初めて聞いた、女がイク時の喘ぎ声だ。

 「俺ももうだめだ、中に、中にだすよ!」

 「ちょうだい!マサユキ君をいっぱいちょうだい!」

 俺は果てた。が、ルカは俺をだいしゅきホールドしている。まだここで終わるわけにはいかない!ルカを完全に満足させるまでは。俺は魔力をチンポに注ぎ込み、何度も何度もルカをイカせ、猿のように射精を続けた。20回目の射精を終えた時、さすがに精魂尽き果てた。ルカのあそこからは大量の精子が溢れていた。ルカも満足したようだ。二人でベッドに倒れ込んだ。

 

 しばらくして自我を取り戻したルカが起き上がった。

 「マサユキ君、気持ちよかったね。実はね、お礼を用意してるんだよ。」

 「え、なにかな?」

 「ゴブリンキングから助けて貰った時、マサユキ君指輪壊しちゃったじゃない。だから、新しい指輪をプレゼントしようと思って。みて、私とオソロだよ!」

 ルカの笑みを見て、俺は最高に幸せな気分になった。ペアリング。初のペアリングだ!

 「これでいつでも一緒だね!つけてあげるから左手を出してね。」

 俺はルカに言われるがまま、左手を出した。薬指に指輪が収まった。すると・・


 脳内に大量の前世の記憶が映像で流れ込んできた!子供部屋の記憶、オカンを殴っている記憶、寄せ書き欄に悪口書かれ放題された卒業アルバムの記憶、部屋から出るのが億劫でペットボトルに尿をして何本も溜まっている記憶、風呂スキップ1ヶ月目の記憶、ネットでレスバしてコテンパンにされた記憶、コンカフェ嬢に蔑まれた目で見られている記憶、ヤクザみたいな男に念書を書かされる記憶・・


 「やめろ!やめてくれぇ!」

 俺は頭を抱えて叫んだ。と同時に造形した顔にヒビが入り、ドロドロと溶けだした。このRPGをやるにあたり鈴木が仕入れてきた姿形を変える秘術が解けだしたのだ。このままじゃ、ルカに本当の顔を見られてしまう!しかしもう遅かった。溶けだした泥団子の中から、元の醜悪な姿が現れた。

 「いやぁー!誰か助けて!モンスターが、モンスターが!」

 ルカが発狂して枕など手元にあるものを投げつけてきた。

 「違う!違う!俺なんだ!」

 「いやぁ~!」

 腕を掴もうとする俺を振り切り、ルカは部屋から飛び出して行った。待ってくれ、恐れないでくれ。俺を愛してくれ。本当の俺を愛してくれたじゃないか!本当の俺を見ても嫌いにならないって言ったじゃないか!

 ルカの退出と同時に人影が部屋に入ってきた。

 「鈴木か?鈴木じゃないか!どうなってんだ!俺とルカを元に戻せ!」

 「閣下、元に戻りたいんですね。良いでしょう。元の世界に戻して差し上げます。」

 ここでようやく鈴木の企みに気がついた。

 「お前、ハメやがったな。すぐ殺してやる!」

 しかし、全く魔力が使えなかった。なぜなんだ!

 「閣下、抗魔石の首輪をしてるじゃないですか。それなのにあんなに魔力を使って射精して。」

 「ふざけんな!ルカは、ルカの愛は本物だ!本当の俺を愛してくれたんだ!」

 「真実の愛(笑)。そんなのありませんよ。念には念を入れて、膣には神経毒も盛っていました。あなたは不相応の力を持ちすぎたんですよ。恨みを買いすぎました。」

 クソ、ルカもグルだったか。あんなに愛し合ったのに。あんなに楽しそうに俺と過ごしてくれたのに。

 「では童貞も無事捨てられたことですし、じゃあ、そろそろ元の世界に戻りましょうか。バニシング!」


 鈴木にバニシングをかけられ、俺の身体は光に包まれた。作用機序的にこれは相当遠方に飛ばされるパターンだ。どこに行くかは今の魔力では予知できない。考えている時間はない。俺の、魔力を振り絞れ!集中しろ!僅かに首輪にヒビが入った。

 「オラ鈴木ぃ!お前も道連れだ!」

 魔法発動までの1秒を使って渾身の力を振り絞り、鈴木をバニシングに巻き込んだ。鈴木は予想外の顔をしていた。俺は、最後の最後に勝ったんだ。

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