シリテラスキノコガミ

紅灯空呼

真夏の夜に目撃された臭くてエロ怖い光景

 ちょうどxx年前、夏休みでも旅行とか遊びに連れていってもらえなくて、町田市の岸田家に単身で泊まっていました。私と同じ小学4年生のいとこがいて、珍しい名前で支障があるといけないと思うから、文雄と云う仮名を使いましょう。

 当時、文雄は先に10才になっていたので、私をからかって「おまえくさい、おれてんさい♪」などと、よくバカなことを云っていました。

 文雄の家族は父親の他に、文子(これも仮名)さんと云う継母がいて、33才の大厄年だったと思います。明るい性格のアウトドア派で、8月15日、私と文雄をキノコ山(これまた仮名)へ、キノコ狩りをかねたキャンプに連れていってくれました。牛カルビ肉、串つきフランク、夏野菜、キノコ、飲みものとかを持って、バーベキューを楽しむ予定でした。

 キノコ狩りをするのに、わざわざキノコを買っておくのが、文子さんの用意周到なところです。結局、山では食べられそうなキノコが見つからず、文子さんは「キノコ持ってきて大正解!」と云って自分をほめていました。

 キャンプ場には、他に誰もきていません。管理人のようなのもいないので、かなり寂しいところでした。

 夜になって、私たちはバーベキューをはじめます。酒豪の文子さんは、赤ワインの750mlボトルを1本、ものの10分で飲み乾していました。

 私が「これ、なんて云うキノコ?」と聞いて、文子さんが「知らん」と云って、文雄が「うんこだけ」とバカなこと。ここにくる途中にあった無人販売所で、文子さんが買ったキノコです。塩をふりかけて焼きました。

 文雄はキノコを食べず、串つきフランクの串を抜いて、ぶらぶら揺らして笑いながら「ち×こ、ち×こ♪」とまたバカなこと。文子さんが怒った顔で「文雄のち×こも焼くぞ」と云ったので、文雄は黙ってフランクをかじります。

 9本あったキノコを喰いつくして、文子さんが「なんか暑いわよ!」と、服も下着も脱ぎます。どうしてか私も意識がもうろうとなってしまい、文子さんの裸体が透き通って光るように見えていたと思います。

 全裸になっている文子さんが近くの木に登り、お尻をつきだす格好で「ぷす~」とおならしました。腐った椎茸のような匂いが鼻をついて、私は「おええー」と吐きました。文子さんは「シリテラスキノコガミ!」と繰り返し絶叫するし、文雄は「ま×こ、ま×こ♪」と下から覗きこんで大笑いしていました。その後をなにも覚えていません。

 翌朝に意識が回復して、私たちは町田市の岸田家に戻りました。

 テレビのニュースを見て「おいおい!!」です。文子さんがキノコを買った無人販売所に、食べると幻覚を引きおこす毒キノコが混じっていたのだとか。

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