第2話 知らない所からはすぐ離れよう
「ふむ、なかなか面白いところだね。ダンジョンの中というのは。」
モンスターとの戦闘を終え、そうつぶやいたのは今日のこの班の中でもさらに頭一つ抜けている
神依は少しうれしそうにそうつぶやくと歩みを進めた。
対して僕は、毎回モンスター1体が限度で正直言って情けない。さっきから頭痛もひどくなっているし。
そこから数分後休憩エリアについた。ここでは学園から最低でも15分以上の休息をとることをルールにされているが、神依は先に行こうとする。
ほかの班員の説得で何とか休憩できるようになったが、それでも神依は次に進みたそうにうずうずしている。
そんな中休憩しているとある違和感があった。休憩エリアに見張りがいないのだ。
先生の話では、休憩エリアには『碧壁』のメンバー1人と教員が数人待機しているらしいがまるで見当たらない。
それにエリアの形も地図で見た地形とは全然違う。そんなことに戸惑っていると、遠くに人影が2つ見えた。今まさに休憩エリアに入ってこようとしているところらしい。
ひとまずこれで安心だ。自分たち以外にも人はいることが確認できたから。
でも、なにか様子がおかしい。2つの人影のうち前を歩いているほうは足取りが不安定で今にま倒れてしまいそうだ。
そして、気づいてしまった。あそこの人影と自分たが休憩している場所とはそこまで離れていないことに。人が影になって見える距離ではないことに。
あれは人影なんかではない。あれは焼け焦げて真っ黒になった人だと。
そう認識した瞬間、鼻に肉が焼け焦げたような匂いと、耳に「ジュッ」という焼ける音が聞こえてきた。
「う、うおえぇぇぇぇっ!」
今朝食べたものをすべて吐き出してしまった。胃の中がすっきりとするのに反してこの気持ち悪い感じがいやでも現実を訴えてくる。
周りは何事かとこちらを見ていたが、さすがにただ事ではないと理解し真剣な表情になった。
「どうした!?何かあったか!?」
「ズキンッ」とまたも頭に痛みが走って冷静さを取り戻させた。
そして気づいた、もう一つの人影がいなくなっていることに。
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どうも「ガウテン」です。
もう2話くらいこんな感じです。
では、また。
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