第1話 最弱異能って価値あるの?

「クソッ!なんで僕なんだよ!!なんで、」


 目の前にはS級に分類されるような人型のモンスター。


 けど、人型といっても手は左右合計6本あり右に4本、左に2本手がついている異形だ。


 また一歩また一歩とゆっくりと歩いてくるそのモンスターのまなざしは僕ではなく、僕の後ろを覗いていた。



 もう何でもいい早くここから逃げないと、殺される。


 まるでアリとゾウだ。あのモンスターは僕なんかに気づいてない。でも、きっと殺される。あのモンスターは無意識に僕を殺していくだろう。


 モンスターがすぐ目の前に来た。


 気配を消していれば力の差がありすぎて無視してくれた可能性があったのに、僕はパニックになり手元にあった短剣で襲い掛かってしまった。


「うわああああああああああっ!!!」


 「バキッ」という鈍い音が聞こえた後に「ズキンッ」という頭の痛みとともに僕の意識は刈り取られた。




















「・・・・・異能"カニバリズム"『触手の真核イーリス』」


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 今日は高校に入って初めてのダンジョン探索だ。


 探索するダンジョンは最低ランクから一つ上のFランクの等級に分類されている。


 これは探索者、もしくは冒険者の資格がなくても、特別に許可をもらえれば高校生でも行くことが可能なダンジョンだ。


ダンジョンへは現地集合で、僕がついたころには今日一緒に探索する班の人たちが先についていた。


 班は4人一班で組まれている。


「すみません。遅れてしまって」


 急いで駆け寄り挨拶をする。


村雨むらさめ陽太ようたか。問題はない。それに集合時間まではまだ時間があるゆえ、別に遅れてはない」


「そうだっけ、、、ありがとう」


 今日一緒に探索する人たちは、1年生ながらすでに学園でも上位にあたる人たちがそろっている。


 なぜ上位の人たちがこの班にそろっているかというと、僕がいるからだ。


 お世辞にも僕の異能は強いとは言えない。何なら学年、いや学園で一番弱いといっても差し支えないほどに弱い。


 そんな僕の異能は「全魔術強化(初級)」であり、はっきり言って使い道がない。


 魔術や魔法、などは修練すればたいていの人が使えるようになるスキルだ。


 そして、魔術の上位互換が魔法だ。魔術は魔法の基礎みたいなもので生活レベルのことしかできない。


 けれど魔術も極めれば戦闘にも応用できる。まぁ、それでも魔術を極めるなら、魔法を練習したほうが何倍も楽に強くなれるから無意味だ。


 そんなものをいくら異能で強化したとしても無用の長物むようのちょうぶつだろう。


 「○○強化」などの異能は成長型の異能が多く、異能を使っていけば初級から中級、上級、さらに超級にまでなる。だが、なったところで魔術だし、そもそも超級までいけないだろう。


 それが僕の異能だ。






 そんなことを考えていると時間になったのかほかの班員はダンジョン前にある受付に移動していた。

 急いで向かうと、


「遅いぞ、村雨。さっきからボーっとしていて、ほんとにのろまだな。異能が弱いと頭まで弱くなってしまうんだな。」


 そう言ってきたのは、担任の・・・えっと・・・誰だっけ?そんなことより頭が痛い。風でも引いたかな?


「まぁいい。今日はBランクパーティーの『碧壁そうへき』が巡回でいるから何かあったら助けを求めるといい。

 ふっ、けど村雨なら助けを求める前にやられるかもな。」


 よくわからないが終始煽られてしまった。



 そんなことよりダンジョンだ。


 初めてのダンジョンはそれなりに僕の好奇心を刺激した。




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どうも「ガウテン」です。男です。はじめまして。


最近部活終わりに炭酸一気飲みしたら、すべて吐き出してしまいました。




では、また。

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