第5話 喪失RPもしくは人格多い系男子?

 振り向いたそこにいたのは、腰から下が、胴と離れ離れになった神依だった。


「神y、!?ゴフッ!」


 痛い、いや痛いとかそういう次元じゃない。


 何が起きたかわからないけどもう感覚はない。


 胸元から伸びた刀身。怪しく光っているそれは僕の胸を貫いていた。


 そしてゆっくりと鋭く、引き抜かれた。


「ッガ、ゴフッ」


 口とさっきまで刀があった場所から、ドクドクと血が流れてくる。


「か、みよ、り。・・・ぐがあぁぁあぁぁぁぁ!!!!!」


 痛い、頭が痛い。右に左に転がりまわる。近くにモンスターがいようとかまわない。


 刀に刺されたところなんか気にならないくらいに頭が痛い。


 もうろうとする意識の中、色を認識できない走馬灯を見る。




 (小さいナニカが昔住んでいた家をくまなく歩きまわっている。主観じゃない俯瞰の視点で、見ているそれは、何かが僕にはわからない。

そして、そのナニカは浴槽の蓋を開けて三日月に笑った。)




 何だったんだろう。今のは昔の僕?


 いや、そうか。そうだったっけ。


 そんなことを考えてるうちに、死期が来たのだろう。傷口は熱くなってるのに体温はその逆、下がっていくのがわかる。


「もう、つか、れた。・・・独りでいるのも。独りに慣れるのも。」


 だから、僕はもう寝る。


 先生も同じクラスのヤツも、うざくはあったけど、嫌いにはなれなかった。


 向こうが嫌うのは勝手だけど、こっちが嫌ったらもう何もなくなる。


「さい、ごがこれは、つまらない、な」


 聞こえるかわからないけど、聞こえていてほしいと願った、最後だった。



















「・・・・・異能"カニバリズム"『触手の真核イーリス』」




──────────────────────────────────────

どうも「ガウテン」です。


やっと陽太?の覚醒まで持って行けた。

ここまで長くてすみません。やっと本編始まります。





では、また。

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