人狼ゲーム〜犯人はこの中に

吉川愛莉

前編

ここはスミス家の御屋敷、昨日の真夜中に事件は起きました、執事のリチャードが何者かによって殺害されてしまったのです、それも、おぞましい死を遂げたのでした


刑事「犯人はこの中にいます」

主人あるじ「くだらぬ」

刑事「スミスさん、現に人が死んであるのですよ、それも食われて死んだ、ただ事じゃあない」

夫人ふじん「では、私たちが犯人だとおっしゃるのですか?」

刑事「そこの執事かも知れませんよ」

執事「滅相もない!?」

刑事「ですが、この場にいる人間以外、有り得ないのです」


エドワード刑事がそういうのも無理はありません、スミス家の屋敷を出入りするための橋が何者かによって壊されてしまったからです、外から人は入れませんし、中から人は出られません、つまり、ここはクローズド・サークル!


メイド「でも、だったら刑事さんだって怪しいじゃないですか、リチャードが死ぬ前からこの屋敷におられますし」

刑事「奥さん、メイドさんにはお話をされていないのですか?」

夫人「ええ、心配をかけては行けないから、執事にしかこの事は…」

主人「なんの事だ?」

刑事「脅迫状が届いていたのですよ」

主人「フッ、脅迫状なんぞ、金持ちである我々を妬む奴らから毎日のように届いとるわいw」

夫人「それが今回はいつもと違いましたの」

主人「どういうことだ、」

刑事「よろしいですか?ゴホン、罪深きスミス家に呪いをかけた、この中の1人が人狼となり、毎夜1人を食い殺す、そして、それが、1人になるまで続くであろう…とまぁ、こんな具合ですな!そして、私はこの事件を解決するために派遣されたのですよ」

メイド「でも、他の刑事さんはいらっしゃらないのですか?」

刑事「刑事も暇ではないのでね、我々もあまり真面目に捉えていなかったので、今回私だけがここによこされたのですよ」

主人「くだらん、金が欲しいなら普通に要求すればいいものを」

アンリー「ママ、僕眠いよ」

夫人「我慢してちょうだい」

ジュリア「ママ…」

夫人「刑事さん、一刻も早く、犯人を見つけてちょうだい」

刑事「ええ、我々も最善は尽くします」

執事「じゃあ、私たちはいったい何をすれば…」


人狼ゲームの始まりです、先にご説明しましょう、人狼とは人の狼と書いて人狼!この中に1人人狼と言う役職が与えられますその他は村人です昼間のターンと夜のターンに別れ昼間のターンでは誰が人狼かを話し合い決まった1人は処刑されてしまいますもしその時処刑されたのが人狼であれば村人チームの勝ちでもそれが人狼でないのなら夜のターンが訪れ人狼は犠牲者を選ぶでしょう…そしてその犠牲者は翌日死体となって発見されるのです…つまりこれはお互いの役職を見破る心理ゲーム、それではよろしいですか?


主人「ふっそんな事せんでも怪しい人物を我々の手で処刑すればいいものを」

夫人「アナタなんて事を…」

メイド「でもどうしたら…どうにかそし人狼を見つけ出す方法はないのですか?」

刑事「私にお任せを!」

メイド「え?」

刑事「私は刑事ですぞ、推理には自信があるのです、この中に自分人狼だと言う人は手を挙げてください………迷宮入りだな…」

メイド「約立たず…」

アンリー「じゃあ村人って人手を挙げて」

メイド「なんで3人しか挙げてないのよ」

ジュリア「あの、私の役職ナイトってどんな役割なのかしら…」


ああ、言い忘れてました今回村人か人狼かのポジションに分けられた上でさらなる役割があるのです、まずナイトは1晩に1人、指定した人物を守る事が出来ます。もし人狼がその人物を犠牲者に選んだ場合その人物は殺されずに済むって話、そして狂人、狂人とは村人でありながら自分の事を人狼だと思い込んでおり、人狼側が勝利すれば、自分の死、生存限らず勝利になります。気をつけてください占い師がそれを占ったとしてもただの村人と判定が出ます


夫人「占い師はどんな役割」


占い師は1日に1人だけ誰がどんな役職か占う事が出来ます、つまり上手く行けば誰が人狼か一発で見抜く事が出来るのです


夫人「え?私最強!?」

主人「よし、でかした、執事を占え」

夫人「アイアイサーキャプテン」


そこ、キャラをブラさないで


アンリー「僕人狼だけど何すればいい?」

メイド「それ言っちゃダメでしょ」


人狼は、村人のフリをしつつ、村人を狩り続けてください、以上!さぁてではもう一度最初から役を振りましょう


主人「実にくだらん、ワシは部屋に戻るぞ、仕事があるでな」

刑事「それはなりません、1人になるのは危険ですよもしかしたらこの部屋に私たち以外の何者かが潜んでいるかもしれない」

主人「部屋に鍵をかけておく。もしワシが死んだらマスターキーをもつチャールズが犯人という事になる」

執事「旦那様ご戯れを」

主人「ほんのジョークだ、こんな時ほどこそジョークは必要だろう、ハッハッハ」

夫人「でも、このままという訳にも行きませんわ。この子たちは子供です。いつまでもこんな思いをさせる訳には行きません、早く犯人を捕まえてください」

メイド「刑事さん、リチャードが殺されてから何か分かりませんの?」

刑事「獣の爪で喉元をスパーっとね…死亡推定時刻は検視が入らねば分かりませんが経験上血の乾燥具合を見るに、4時間は経っているでしょうな。昨晩、皆さんの行動を教えていただけませんか?夜間、この屋敷で見回りは?」

執事「最後の見回りは夜中の0時。旦那様や奥さまおぼっちゃまやお嬢様がお眠りになったと思いましたら我々も就寝します当日は私、そしてメイドの2人が窓の戸締まりの確認も兼ねて見回りをいたしました」

刑事「リチャードさんが殺害されていたのは中庭でしたがそちらを担当されていたのは?」

メイド「私めでございますが、その時は何も以上はございませんでした」

刑事「なるほど。」

アンリー「あれれぇ、それはおかしいなぁ」

刑事「ほう、どうしたのかね?」

アンリー「だって僕トイレで目が覚めたんだ廊下の窓から中庭に2人がいたのを見たよ」

刑事「なんだって?」

アンリー「あれはティナとリチャードだった」

メイド「おぼっちゃま」

執事「メアリー。どういうことだね」

メイド「いえ…それは…」

刑事「お話しを聞く必要がありますな」

メイド「いや…その…」

執事「はぁ…お話なさい」

メイド「私とリチャードは…その…」

夫人「ティナ、まさか貴女…私は恋愛を禁止していたはずです」

メイド「そ、その通りでございますが」

刑事「その時の事を話してください」

メイド「いえ、その、ですからただ、あってお話をしていただけですわ」

夫人「全く。」

アンリー「でもその後、リチャードとティナが別れたのを見たよ。リチャードとチャールズがお話をしていたんだ」

刑事「ふむ…どうやら、目撃者の話を最後まで聞いた方が賢明のようだおぼっちゃん、それでそのふたりはどんな話をしていたのだね?」

アンリー「分からない、でもね喧嘩しているみたいだった。僕は怖くてお部屋に戻ったんだ」

刑事「チャールズさん?」

執事「…えぇ、おぼっちゃまの仰る通りでございます。大事を避けるためにリチャードには、ティナとの関係を控えるように忠告していたのでございます。勿論、内緒にしていたのは奥様や旦那様のお耳に入る前に解決しようとしたまででございまして」

刑事「なるほど、しかし、その後にリチャードは殺害されたと…」

ジュリア「でも、リチャードは獣に殺されたのでしょう?」

刑事「そのような傷痕だったが、犯人は人間だ。獣が犯人ならもっと悲惨だったでしょう。」


さて皆さん、お話の時間は終わりです。誰を吊るすのか多数決で決めてください


夫人「仕方ないわ投票によって誰を吊るすのか決めましょう…私はティナを」

メイド「奥さま…では私はチャールズに」

執事「ティナ!?」

アンリー「僕もチャールズ」

執事「おぼっちゃま」

ジュリア「わ、私も…」

刑事「…今のところ、アナタが1番怪しい」

執事「わ、私はそんな…ダ、旦那様はなんと仰っているのですか?」

夫人「主人が誰に投票しようと多数決なら関係ないわ。チャールズ。今までありがとう。私が殺ります、刑事さん拳銃を」

刑事「仕方がありません」

執事「私めはここに何年も務めておりました。だというのに…あんまりでございます」


しかし、これがルール。執事のチャールズは処刑されました。そしてマスターキーは、夫人によって屋敷のどこかに隠され、各々が部屋に鍵をかけ就寝しました。そして翌日

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