「トロッコ問題」は、既に、古代ギリシャ時代に答えが出ています。

この小説は非常に法律的に書かれていますが、ともかく、話の緊迫感が半端ない!!!

ですが古代ギリシャ時代、既に「カルネアデスの船板」として答えの出ているものです。
「カルネアデスの船板」とは、難破船から、荒海に投げ出された二人の人間が、たった1枚の船板を巡って争うと言う話です。二人とも、船板に捕まれば、二人とも沈んで死んでしまう。一人だけ助かろうとして、相手を、荒海に蹴落としたとしても、生き残ったほうは罪を負わないのです。
つまり、現行の日本の刑法第37条の緊急避難に該当しますよね。

太平洋戦争末期、米軍は、日本に二発の原爆を落としましたが、それ無くて、日本本土上陸作戦を強行実行すれば、対沖縄戦の教訓から、最低、50万人以上の米兵が死傷される事が想定されていた。ですので、狂気の科学者のフォン・ノイマンは、首都東京に、最初の原爆投下を提言したと聞いています。
今でも、アメリカ国内では、原爆投下が正しかったと言う人は多いのです。残念ながら。

ですが、法律的に、倫理的には、どうであれ、この問題は実は永遠の課題なのです。

かって、日本に来日した、革命家のチェ・ゲバラは、広島の原爆資料館を見て、「君たち、日本人は、このアメリカに対して何も思わないのか!」と、言った話こそ、この問題の本質を語っているのかもです?

とまれ、この傑作を、是非、御一読下さい。