第15話 ヒトと関われば、時に許せないこともあって
「え? なんでVTuberになったか、ですか?」
私・
途中ボケた発言をして視聴者の皆様にツッコまれたりしていた中での言葉に私は首を傾げた。
「えっと、説明してませんでしたっけ……
うう、説明下手ですみません。
一種の精神的リハビリって――そうじゃなくて、ですか?
なった切っ掛け……なるほど」
視聴者様方曰く、VTuberになろうと思った切っ掛けを知りたいとの事。
えーと、これは……別に隠す理由はないかな、うん。
「わ、私がVTuberになろうと考えた切っ掛けはですね。
えと、あるVTuberと出会ったからです。
多分ここにいる方達はVTuberの知識を持ってる方が多いと思うんで、ご存じの方も多いかな。
えと、その、アストラ所属の
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光莉ちゃんか、まぁ納得
影響受けた人多いしなぁ。
VTuber五天衆の1人は伊達じゃないよな
そう言えば光莉ちゃん特撮好きだっけ
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「そ、そうそう、そうなんですよ!
私一応変身ヒーローヒロイン的存在の端くれなので、そちらの世界のそういった作品を見て学んでるんです。
で、感想とか反応集とか動画サイトに見に行くんですけど、その時にたまたま光莉ちゃんの配信があってですね。
すごく楽しそうに、かつ素敵にコメントを拾ってトークする姿にときめいたんです、ええ。
その時から光莉ちゃんを推しててですね、そこから光莉ちゃんの配信やアーカイブを見てますます好きになったんですよぉー!
うふっ、うふふふ……やっぱり光莉ちゃんの魅力っていうと……」
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めっちゃ早口で語っとるw
笑い声コワイw
へぇ、わかってるじゃん(後方理解者面
光莉ちゃんが最推しとは見込みがある
そう言っとけば受けると思ってんだろ?
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あ、ついうっかり話過ぎてしまいましたね、ええ。
どうも私は好きな事絡みだと我を失いがちだなぁ。
やり過ぎないように気をつけないと。
で、時々入ってる棘のあるコメントは基本スルーさせていただいております。
無視したい訳じゃないんだけど、今の私じゃ絶対上手くコメントを返せないので。
そんな感じで、私はコメントを確認しつつ、今の私の素直に思う所を口にした。
「えと、その、ごほん。失礼いたしました。
つまりですね。
光莉ちゃんとの出会いがなかったら私は今ココにいないと思います。
光莉ちゃんが迷ってる私に道を指し示してくれたというか。
だから、私は光莉ちゃんみたいな……俯いている顔を思わず上げてしまうような、そんなVTuberになりたいと思ってます。
いや、今はもうただただ大言壮語なのは分かっておりますが、はい」
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確かに配信2回目のVTuberの目標としては遠過ぎるw
でもそういう考え割と好き
ちょっと応援したくなったぜ
身の程知らずだが意気や良し
なんだ、もっと面白ミスすると思ってたのになぁ……飽きた
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皆様のあたたかい言葉にうるっとしていたら、別ベクトルで泣きなくなる言葉も来たんですががががが。
うう、視聴者も徐々に減って今30人くらいでございます。
期待された面白さを提示できないのは申し訳なく――それはそれとしてガリガリ心が削られるぅぅ―!?
いやでもしかし、流石にわざとミスとかは出来ませんしね、ええ。
多分そう言うのも含めて『演技』出来る人はいるんだと思う。
そして、それが悪いなんてことは勿論ない。
そんな『演技』も自分の配信を見ている人を楽しませようとする手段の一つなんだからね、うん。
でも、私にはそんな器用さは全くない……というか余裕すら微塵もないのです。
今も話しながら時々声が裏返りそうになったり、前進緊張しまくってますしね。
だから、私はただ私らしく――『クロス・ユカリ』として配信に向き合おうと思っております。
面白さはその中で頑張って模索します、はい。
出来るかどうかは別問題ですけどね、ええ……面白いって何だろう(哲学的問い掛け)。
「えっと、この話題についてはそんな感じで、はい。
で、うんと、その次の質問で今回の配信は最後にしようかと思います」
そろそろ締めないと私の心臓がヤバいです、マジで。
めちゃずっとドキドキしておりますので。
このまま配信中にぶっ倒れて、今回もやらかすことになったら――!
うぅぅ、いや、もう、なんと言いますか、想像したくないですね、ええ。
「ととと、なになに、そ、その身体のデザインってもしかして『ランスロット』先生――そうそう、そうなんですよ!」
ランスロット、というのは『クロス・ユカリ』の姿を作ってくれた
多分、円卓の騎士のランスロットから取られてるんだろうけど……なんか意味深なものを感じるなあ。
さておき、私は霞さんの宣伝もしたいのもあり、冷静に言葉を選んで事実を話そうと思考を巡らせた。
多分、無料(将来的有料)とかは言わない方が良いよね。
でも、便宜は図ってもらった位は伝えて、霞さんの良いイメージに繋げたいな。
「あ、あのですね、ちょっとご縁があって、親身に――」
していただいたんですよ、努めて明るく言おうとした瞬間だった。
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色仕掛けでもして安く作ってもらったんですね、わかりますwww
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「……は?」
そのコメントが私の視界に入って――直後、プッツ―――――ンッ、と私の中の何かがキレました。
「あー……ぁぁ――ぁあ……――――ごめんなさい、その発言は許せません」
それが堪忍袋の緒だと明確に理解したのは、ちょっと後になってのことで、その時には大炎上しておりましたね、ええ……うふふふふ、あはははは(涙目)。
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