第6話

ギルド対抗戦、それは日本中から冒険者達が集まり誰が一番強いかを決める大会である。勿論事務所や私立ギルドからのパーティー出場なども許可されている。そこで優勝した者、もしくはパーティーは日本一の冒険者という称号と多額の賞金、尚且つ日本中だけに留まらず海外からも注目されている大会でありそんな大会で優勝したパーティーは有名になるどころの騒ぎでは無くい。



「君の力が欲しい。私の事務所はもうそれなりに大きいが、君さえいればまだまだ大きくなれる。日本一に手が届くかもしれないんだ。」


眩しい。ふとそう思った。自身の夢を追い求めるその姿が。


私は迷った末…


「わかりました。これからは私も事務所の一員、ミカさんのパーティーの一員となって戦います。」


結果、私は条件を飲むことにした。

声を掠れさせるのも辞める。


「ホント!?」


「本当に良いのか!?」


「はい、勿論です。」


「やった!やったよ所長!!」


「フッ、あぁそうだな。」


「それで…事務所への引越しはいつになりますか?」


出来れば早い方が助かる。


「そうだな…私としては今すぐにでも来て貰いたい所なんだが…」


「い、今すぐ?」


「ん?もしかしてもう来て貰えるのか?」


「え、はい。荷物を揃えれば…」


荷物といっても大した物は無いのだが。


「なら是非来てくれ!送迎はこちらの人間を向かわせる!」


まさかの一瞬で引っ越しが決まってしまった。



♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎

「へぇ、「謎のユニークスキル持ち」ねぇ…」


スマホを眺め、乾いた唇を舌で濡らす。その

妖艶さは見る者全てを魅了してしまう程だ。

この都市で一番人が集まる場所、国立ギルド。

そこの管理を任されている、ギルドマスター。


彼女はこの国、世界中でも数少ないユニークスキル持ちだ。その実力からも、実績からも信頼され国立ギルドのギルドマスターという重要な役職に就けている。


「ねぇ、面白いと思わない?この子。」


「興味ない。仕事の話じゃないなら帰る。」


一切気配を感じさせない長髪の少女が気付けばギルドマスターの横に立っていた。


「まぁ待て。仕事の話だよ。この子の所在、そしてユニークスキルが何なのかを調べてきてほしい。出来ればここに攫ってきてくれ。国に話は通してある。」


「報酬は?」


「そうだな…一千万でどうだ?それにもし彼女の信頼を勝ち取りこちら側に着かせることが出来たならさらにもう一千万出そう。どうだ?」


「乗った。調査が進展したら知らせる。」


「あぁ任せたぞ。「凪」。」


ギルドマスターが言い終わる前に少女は忽然と姿を消していた。


「相変わらず恐ろしいね…まぁ「凪」なら失敗することは無いだろう。それにしても…ユニークスキルを持っていることを隠すなんて一体何故だ…?」


一人思案に耽る。



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