書く読むボーイのWEB小説漫才『Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ』
蠱毒成長中
甥っ子のハマったWEB小説とは……
「どうもー、書く読むボーイです〜」
『よろしくお願いします〜』
「おっとぉ〜、今読者の方から上質な応援コメントを頂きました〜」
『いや〜、いいですね〜。
こんなんナンボあっても困りませんし、何ならあればあるほどいいですからね〜』
「……ところで唐突なんだがよ」
『おう、どうしたよ。なんか困り事か?』
「まあ、困りごとっつーか……
実はこの前休暇使って実家に帰省してなぁ。
正月ぶりに姉貴の倅の甥っ子と再会したんだがよ」
『おお、そういやお前甥っ子と結構仲良かったっけな。
なんだ、親にも話せねえようなコトさえ腹割って正直に話してくれるとか?』
「まあ、自慢じゃねーが甥っ子との仲はいい方だと自負してるぜ。
で、いつも通りヤツと近況やら趣味やら色々と話したんだが、
そん時に甥っ子、好きなWEB小説のタイトルを思い出せねーってぼやいててさ〜」
『あー、そりゃ辛ぇな。如何に好きなモンでも勢いで好きになっちまうと細かいとこまで意識回んなくなるしな』
「そうなんだよ。でまあ、色々話を聞いてはみたんだがイマイチしっくり来なくてよ」
『なるほど……よっしゃわかった。
ならオレが手ぇ貸してやろうじゃねえか。
その甥っ子クンが好きなWEB小説の特徴とやらを挙げてってくれ。
オレだってWEB小説には詳しいんだ。その作品てのが何なのか、わかるかもしれねェ!』
「おお~、頼りになるねぇ~! じゃあお願いしちまおーかねぇ。
まず甥っ子が言うには、
所謂『異世界転生』つーか『異世界召喚』系のファンタジーもんで、
異世界に飛ばされて来た主人公が、クソみてーな理由で追放喰らったトコから始まる物語らしい。
あとなんか、勇者がどうとか言ってたな」
『ふむ、とすると……鬼ノ城ミヤ先生の「Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ」じゃねえか?
主人公の商人フリオが魔王狩りの勇者候補に異世界召喚されるっつー話だし、
他の勇者候補も出て来たりすっからなァ。
……然しとは言え、昨今WEB小説界隈に「追放もの」やら「勇者絡みの作品」なんざ腐る程あるからどうにも絞り込めねーってのが実情だがな。
他ァなんか言ってねぇのか?』
「おお、言ってるとも。甥っ子に曰く、
第一話で突然理不尽に、理由もロクに告げらんねーで追放喰らった主人公が、
嘗ての仲間連中とバチバチに
沈みながら気絶しちまうっつー、結構ヤベェ感じの始まり方をするらしい」
『なんだよそりゃあ。まるで仮面ライダーかなんかの中盤じゃねえか……
然し、となると「LV2チート」じゃねえなァ。
フリオの初バトルは追放の後だし、
追放理由にしたって「能力値ウンコで役立たねェから」と明確だしよ。
他ァなんかねーか?』
「甥っ子が言うには、ヒロインがとにかく美人で可愛いってよ。
顔がいいのは勿論、髪はキレイな純白だしスタイル抜群で乳もでけえって。
あと見た目の割に正体はクソ強ェバケモンで、かつ主人公とは相思相愛のお熱い間柄だとよ」
『なるほど、「LV2チート」だな。
ヒロインのフェンリースはまさにお前の言った通りのビジュアルでフリオとは相思相愛。
かつ規格外のフリオより格下とは言えそれでも劇中屈指の強キャラで通ってる。
「LV2チート」で間違いねえだろうよ』
「だよな~。俺も試しに調べて『LV2チート』じゃねーかと思って後日甥っ子に確認してみたんだよ。
だが甥っ子によるとその小説、漫画だのアニメだのになってねえどころか本として出版もされてねぇし、
何ならブックマークの件数も30そこらだそうでよ」
『となると「LV2チート」じゃねえなそりゃあ。
ありゃかの「なろう」で人気爆発して本になってて、漫画だアニメだにもなってっからよ。
特に漫画版は夫婦の絆を軸に据えた、恋愛モンとかホームドラマみてぇなアレンジが神だし、
アニメ版はフェンリース役の
「やっぱそうだよなー。俺もそう思ったぜ。
でまあ甥っ子に聞いてみたんだが……ヤツが言うにはその作品、
主人公は食ってく為に冒険者をやる羽目になるんだが、ギルドに登録する時は色々あって偽名を名乗る展開があったらしくてよー」
『「LV2チート」じゃねえか!
フリオの本名はバナザつって、最初は必然そう名乗ってたんだが、
追放の件で面と名が割れてンなら街には入れねえと考えて、
魔法で顔変えつつ、冒険者ギルドで登録する時咄嗟に思い浮かんだ"フリオ"って偽名を名乗るようになるんだ。
つまり甥っ子クンが好きなWEB小説は「LV2チート」で間違いねえ!
寧ろそんなWEB小説「LV2チート」以外にそうねーだろ!
ワンチャン、インチキじみた実力の主人公がハンドルネームからてめえで治めるギルドの名をそのまま名乗るようになった「オーバーロード」の可能性もあるが、
その場合主題歌はキャラソンじゃねえしヒロインも乳でけえ化け物とは言え黒髪だし何から何まで違ぇからな!』
「だよな~? だから俺もさ、甥っ子に『やっぱ「LV2チート」じゃねーのか?』って聞いてみたんだよ~。
けど甥っ子曰くどうにも違うらしくってよぉ~」
『何が違うんだよ!? この期に及んで何が違うってんだ!?
ふざけんじゃねぇぞコラ! UBIクソブラック企業! 粗品つまんねーてめー予選敗退!』
「どうどう、落ち着けよ。
で、甥っ子が言うにはその作品、所謂ステータス画面だとかレベルの概念が無くてよ。
主人公は平成以後の仮面ライダーっぽい戦い方をするんだってよ。
なんか、ナントカドライバーってベルトで怪物になるとか」
『はぁぁぁぁ!? じゃあ「LV2チート」じゃねえじゃねえか! 間違いなく別のヤツじゃねえか!
確かにあの作品はこじつけりゃ平成・令和ライダーっぽさも見出せるだろうが、さりとて「這い寄れ! ニャル子さん」みたくあからさまにパロってるワケじゃねえんだぞ!?
確かにフェンリースは言っちまえばモモタロスやアンク、イズやツムリみてーなポジではあるし、
∞ステータスのフリオもムテキゲーマーとかオーマジオウみてーなもんと言えなくもねえが!
別にフリオはベルトなんて巻いてねぇし変身もしねえからな! 精々姿変化の魔法で顔変えたり性転換したぐらいだぞ!
つまり甥っ子クンの好きなWEB小説とやはら「LV2チート」じゃねえ! 以上ッ!』
「おおー……熱弁振るってくれたトコ悪いんだがよ、
甥っ子が言うにはその小説、
主人公と因縁のある、異世界生まれで色々クズな感じの……
所謂『鬼畜勇者』ってのかな、そういうのが出てきて主人公の追放に深く関わるっぽいそうなんだが……」
『はあ?』
「あとこれも甥っ子情報だが、主人公とヒロインは
元魔王の厳つくて良心的なオッサンと仲がいいとかで……」
『……オイオイ……待てよお前……
じゃあやっぱり……「LV2チート」じゃねえかぁ!
その特徴はもう間違えようがねえよ!
フリオの追放にはエリなんとかだかいう金髪のクソ勇者が関わってやがる、
どころかあいつが実質フリオを追放させたようなもんだしよぉ!
主人公やヒロインと仲いい元魔王の厳つくて良心的なオッサンてのもゴザルのオッサンもとい魔王のゴウル様じゃねーかよ!』
「そ、そうなのか?」
『おうよ。物語開始時点でこそ現職だったがなんやかんやで退位したし、
厳つい武闘派の割に根は優しくて平和を望んでるし……
こりゃやっぱ「LV2チート」こそ甥っ子クンの好きなWEB小説とみて間違いねえやなァ~』
「……盛り上がってるトコ申し訳ねぇんだがよ」
『あん、どうしたよ?
……おい、まさか』
「おう、そのまさかだ……。
今丁度甥っ子からメールが届いてなァ。
曰く件の小説を読んだのは今年2024年の春頃だったんだとよ……」
『……じゃあ『LV2チート』じゃねーじゃあねえかあ!
確かに作者の鬼ノ城先生は元々「なろう」で活動しておられたがっ!
「LV2チート」とて元々は「なろう」連載作品だったがよっ!
先生は規約違反で2019年に「なろう」追放されちまってそれっきりなんだぞ!?
つまりそもそも2020年代、令和の時代に「なろう」で「LV2チート」なんざ読めるワケねぇだろうがぁ!』
「す、すまねぇ……」
『いや、オレこそ悪かった。お前は別に悪くねえよ。
だがともすりゃあ、甥っ子クンの好きな件の小説ってのは一体……』
「おう、それについてなんだがな?
今続けざまにうちの妹からメールが届いてよ」
『お前の妹ぉ!?』
「おう。んで、妹が言うには
蠱毒成長中の
『つい☆ブイ! 追放Vtuber、七都巳大竜
-配信切り忘れた挙句の異世界転移!
勇者パーティで頑張ってたら追放されたので、
愛しの爆乳エロ魔女と一緒に無双しながら地球帰還目指します!-』
こと通称『つい☆ブイ!』じゃねーかって話なんだが……」
『いや絶対ッッッ……"それ"じゃねーかッッ!
舞台は異世界エニカヴァー、主人公の七都巳大竜は元々勇者の江夏才蔵率いる勇者パーティに所属してたが理不尽に追放宣告された挙句、勇者パーティの面々にボコられてボロボロの状態で海に落ちて気絶!
ヒロインのパルティータ・ピローペインは白髪巨乳スタイル抜群の美人!
あとあいつやたら強い上になんか初期はアンデッドって紹介されてたしよぉ!
後になんか改めてカースド・アンキラブルだかいう正式名称が明らかになりこそすれ、どの道ヒト型の化け物には変わりねぇし!
作者は売れ筋意識したんだろうがそれに反してブックマーク登録件数37件、オマケに近頃は閲覧数も下落してて不人気も不人気!
んでこれが多分人気出ない最大の要因だろうがゲーム的な要素なんざ皆無!
七都巳大竜の戦い方は身体と一体化して装着者を怪物に変えるベルト"邪悪魔神器シンズドライバー"で、変身の描写もやたらとライダーぽいし!
江夏才蔵は劇中の出番が少ねぇからあんま伝わってこねーが少なくともロクでもない奴なのは間違いねえし!
七都巳大竜は冒険者になる時、身元割れねぇように
あと主人公やヒロインと仲のいい元魔王ってそりゃお前、冒険者ギルドの長やってる源元幸之助じゃねーか!
……はあ。
くっだらねぇ……
まさか甥っ子クンが、
よりにもよって蠱毒成長中の作品にハマってたなんてよぉ……
まあ、別に誰のどんな作品にハマろうがそりゃ自由だけどよぉ……』
「ここまでの閲読ありがとうございました~」
『「つい☆ブイ!」のURLはこちらからどうぞッッ!』→https://kakuyomu.jp/works/16817330664692554388
書く読むボーイのWEB小説漫才『Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ』 蠱毒成長中 @KDK5109
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます