第三話『兵役』
——クローン三原則の導入の目的の一つには、『兵力供給の安定』もある。
大前提として、クローン三原則導入後の世界では、少子化が改善され、健康体の生物学的男性が増加する。そのため、自ずと兵役に就く者も増える。
その上で、全ての満一八歳から満二十八歳の生物学的男性は、十八ヶ月から二十一ヶ月の兵役義務を果たさなければならないが、それを自身のクローンに代行させることができる。クローン三原則導入以前は、徴兵検査での賄賂や不正により兵役逃れが横行していたが、クローンに兵役を代行させることで、その問題は解決する。現役を修了後の予備役についても、これをクローンに代行させることができる。つまりは、生物学的男性が自身のクローンを予備役に登録しておくことで、非常時の兵力供給も安定する、というわけである。もちろん、従来通りオリジナル本人が兵役、予備役の務めを果たすことも選択肢としては残されている。
〈第四話『労働』に続く〉
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます