第36話午後は3人へのご褒美休憩とするか(23)
再びハリセンで小気味よい音を響かせ、また俺の前へ引き摺ってくる。
さすが神、懲りねぇメンタルも神クラスかよ。
「バカ共のせいですまないな。
またやらかされる前に小官達がここに来た理由をまとめて言っておこう。
隠れて研究や生産が出来ないお前専用の空間を作っておいたのだ。
今回、偶然にも昼寝を始めたから良い機会と空間に引っ張って送り込んだのである。
今後は夜の就寝でもこの空間に移動出来るから有効活用してくれたまえ。
ちなみに魔法の練習も出来るし、倉庫代わりにもなれば生物の持ち込みも可能だ。
ハウジングをしたければ素材があれば出来るぞ?
建物だけでなく自然も再現したいのであれば、該当の属性を担当する神から加護を貰う事だな。
その状態で該当属性に関係する他種族の悩みや問題を解決しろ。
そうすればその属性の結晶が報酬として手に入る。
モンスターを狩っても絶対に手に入らないから間違うなよ?」
「お、おお…それ教えて良かったのか?」
「問題ない。大半が自立したAIだからそう言う悩み事や問題は勝手に生まれる故、他のプレイヤーも手に入れる事は出来る。
ただし使い道は自力で探せ、となるがな」
早速ぶっちゃけよった!?
でも自由に旅出来るか分からない立場だから、この程度の情報でも助かるな。
ミーメルと違って考えてぶっちゃけてるみたいだし、気にし過ぎるのもアレか。
「一般プレイヤーにもハウジング機能付き空間貰えるのか?」
「クランとか組織単位でならいずれ実装されるだろう。実装フラグを踏めばな?
お前は配信や他のNPCの目やらで、隠れて何かするのに難儀しそうだったのでな?
手助けとして小官達が集まって一般プレイヤー向けとは仕様が違う個人用空間を作ったのだ」
「仕様が違うとは言えプレイヤーにも実装されるなら問題ないか。
本当に俺にぶっちゃけて良かったのか?」
「お前は協力者だから本当に問題はない。契約書にもサインしただろう?
広報にも使われるのだからフォローや先取り情報くらいは許容範囲だ」
あ〜あの時書いた契約書か。実はそこまで細かく読んで確認はしてないんだよなぁ。
動画サポートあるって時点で、外注扱いに近いんだろうなぁとは思ってたが。
「質問だけどさ?
寝る以外にここに来れる方法はないのか?
流石に必要になる度に寝るのも不自然だと思うんだよな」
そう、これがある意味1番の問題点だ。タイミングが悪いと寝ると言う動作は不適切になっちまう。
他にも行ける手段ないと浮いて仕方ねぇわ。
「ふむ、確かに必要になる度に睡眠動作を取るのも状況によってはかなり不自然か。
他の神々と協議しなきゃならないから暫くは無理だ。
プレイヤーに疑われない環境や状況を神々の協力の元、用意せなばならんからな」
そうか、この空間も複数の神々による協力で作られたんだっけ。
権能によってはどこまでフォローに動けるかはその神それぞれだし、人の目ある状況でどうやって不自然なくこの空間に行けるか?の模索もするのだから、そらぁ時間掛かるか。
NPCとは思えん手段は避けにゃならんのが、中々の厳しい縛りになってる感じだわ。
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