【閑話】オカマは走る、目的の為ならどこまでも
あらぁ? 今回はアタシが主役なのね?
それじゃあ、あの可愛いちびっ子達と雇用の話を付けた辺りからになるのかしらぁ?
白鳥の水面下のバタ足はあまり見せたくないのだけど、アタシの奮闘をご覧遊ばせぇ♪
「アンタ達! アタシは急いで大工の親方に改築の話付けてくるから、寄付の受付と通常業務任せたわよぉ!」
「「「「「はい!」」」」」
これは思わぬフラグを踏んだ気がするわぁ!
NPCの安価雇用の解放フラグとか、まさかあの子供達が持ってるなんて思わないじゃなぁい!
フラグ踏んだら即回収がプレイヤー鉄則!
他にも何か隠しフラグ仕込まれてそうよね!
これだからNPCとの交流はやめられないのよぉぉぉ!
慌てて大工ギルドに駆け込んだオカマパティシエは、カウンターに前金をドンと乗せて交渉を始める。
「今すぐ動ける工房はないかしらぁ?」
「今すぐ、ですか? 手の空いてる工房を探しますので、少しお待ち下さい」
受け付けの女性はしばらくリストを調べてから顔を上げて、申し訳なさそうに話し始める。
「今すぐとなると少し厳しいので、工房の手が空くまでの間に工房無所属の大工だけである程度工程を進めておきますか?」
「それでも構わないわぁ。手が空いたら即こっちに回してちょうだい?」
「かしこまりました。内容としては新規建築ですか?
それとも拡張の為の改築でしょうか?」
「もちろん改築の方よぉ?
隣りの空き家を買ったから、それを繋げるのよ」
「なるほど。では5人ほど集めたらそちらに送り込みますね」
「それでよろしくねぇ? これは依頼の前金として置いておくわぁ。
あと2回ほど支払いに行くと思うから滞納はないわよ?」
「お客様は前回も滞納なくお支払いした実績があるので、その辺りの心配はしておりませんよ?」
「それでも一言断っとくもんよぉ?
それじゃ、アタシ時間ないからよろしくねぇ?」
「ふふっ、はい承りました」
出来る女同士の和やかなやり取りのような事を済ませ、次は集金業務をする為に店に急いで走る。
その日は街中を凄い形相で全力疾走するオカマを見掛けた!という目撃者が続出したのはご愛嬌。
「今戻ったわよぉ! 集金はどんな感じ!?」
「店長お帰りなさい! クランの方が店長にとの事だったので待っていただいてます!」
「分かったわぁ!」
店内を見渡すと隅のテーブルに格クランのリーダーが集まって座って、紅茶を飲んでいた。
「お待たせよぉ〜!
あらぁ、もうお金は集まったのぉ?」
「当然だ。これでも攻略クランだぞ?」
「同じく戦闘クランがこの程度の金額を集めれない訳がない」
「情報クランもそうさ〜」
「我々、考察クランと」
「検証班クランもですよ」
「んっまぁ、心強いわぁ。土地購入と前金だけでスッカラカンになってたから、助かるわよぉ」
「そりゃあ良かった。んじゃ、ま、お互い暇じゃねー訳だし、トレードしてくぞ」
そう言って攻略クランから順番にトレードをしていき、終わると店を出て行った。
本当に暇ではないようだ。
「今日は集金と改築にだいぶ時間取られて店の事あんまり出来なさそうだから、そっちは任せたわよぉ!」
「「「「「やりきってみせます!」」」」」
とまあ、こんな感じだったのよねぇ。
ギルドと話つけるの早いって? そーんなの日頃の信用の積み重ねよねぇ。
アタシのバタ足話はそこまでにして、あの子達の動画見るわよぉ!
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