第29話午後は3人へのご褒美休憩とするか(16)

「ここまでくればいつも通りの道だな」


「ここの活気取り戻したら、あんな変態まで来るんでチュかね?」


「それは…否定出来ないな。衛兵がここを真面目に取り組んでくれるとは思えないからね」


「スラム故のアレでチュか〜。それはしゃーないでチュね〜」

「まだ取り組んで貰えるほどの価値を磨けてないでチュからね〜」


「出来れば家賃収入とか土地レンタル代とかの収入が出来れば、もっと孤児が集まっても何とかなると思うんだけど、土地や建物の手入れや修繕はなぁ……」


「「「絶望的なまでの人手不足で出来ない」」」


3人で同時にため息をつきながら辿り着いた拠点に入っていった。


「お! お帰りにゃーね! 平民街楽しかったかにゃ?」


「ただいま〜楽しかったというより色々あり過ぎて疲れた感じかな?」


「でもお土産はいっぱいあるでチュよー!」

「師匠、早くお土産出してあげるでチュよ!」


「はいはい。ミャー姉リーダー、この大きいテーブルにお土産出してくね」


「にゃ? そんなにたくさん買えたのにゃ?」


「買えたというか何故か貰えた、放浪者達から」


「スラムの孤児にわざわざにゃあ? 何を狙ってお菓子くれたんだにゃ?

餌付けして囲うつもりなのにゃ?

それ危なくないにゃか? 愛玩奴隷として狙われてないにゃか?」


あ〜…やっぱ疑うよね。

俺はプレイヤーの動向っつーか性癖っつーか、同じ日本人だしコメント欄で動機が分かってるからつい受け取ったけど、普通は警戒しなきゃいけない。

素で平和ボケ日本人を出してたわ。スラムの孤児が平和ボケなはずがない。


まさかのここでボロを出すんかい、俺。

巻き返しがまだ可能とは言え、ボロ出すの早すぎだろ!

幸いプレイヤーはまだ気付いてないみたいだし、違和感の形になってないみたいだが気を付けねーとな。




[孤児の苦労が忍ばれる会話が…(´・ω・`)]

[そっか、保護者に護られてないから(´・ω・`)]

[身分にすら護られてないよな(´・ω・`)]

[たまたま平民街だったから衛兵が動いてくれた感じやんな(´・ω・`)]

[もしかしてこれって、スラム解放されてプレイヤーの居住や店舗増えたら元々のスラム住人が壁の外に追い出される感じじゃね? ( ºωº ;)]

[納税してないから国民ではないって扱いの可能性があったか! (゚ロ゚)]

[恐らく冒険者は手数料か報酬の一部を天引きな感じじゃね? ( ºωº ;)]

[だからスラムの通用門に衛兵がいたんかな(´・ω・`)]

[プレイヤーによるスラム乗っ取りは流石に胸糞過ぎるやろ]

[こーなると納税出来るレベルまでスラムの住人の質を上げなきゃ、あの子供達も城壁外で野外生活する羽目になるって事やんな? ( ºωº ;)]

[軒を貸して母屋を取られるを俺達がやらかすのか( ºωº ;)]

[スラムの住人よりプレイヤーを住まわせる方がマシと判断されたなら、あの子達の居場所はなくなっちまう:(´◦ω◦`):]

[それにプレイヤー側だって、ゲームなんだからNPCに配慮する必要ない的な考えの奴は一定数いるぜ?]

[例えゲームでも人死にになる様な事したくねーよ(´•ω•`)]

[ここまでリアリティあるとトラウマになるよな…惨劇に出くわせば(´•ω•`)]

[いい感じに住み分け出来るよう俺達側も何か出来ないかな]

[学生の俺よりも遥かに年下の子供達を蹴り出してまで住みたいと思えねぇよ(´•ω•`)]

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