第2話とうとう俺だけでなくネズミっ子コンビも配信デビューだな!

「あー! 師匠起きてるでチュー!」

「師匠おはよーでチュー! 昨日は2人で研ぎ頑張ってきたでチュよー!」


「おーおはよー。これは2人の鑑定が楽しみだぜ」


「「鑑定ドンと来いでチュ!」」


拠点の仕分けスペースに入った2人の第一声がそれだった。俺がログアウトしてる間も相変わらず元気なようだ。


「鑑定するぞっと。んーチルは研ぎレベル8、チパは研ぎレベル10だな。

かなりの量ナイフ研いだな? 最初よりレベルの上がりが凄いぞ?」


「「えへへでチュ」」


「お! それなりにいい値段で売れる斬れ味+15まであと少しじゃねーか!」


「その事なんだけど、抜き身のナイフとソードは住人相手じゃ中々売れないと思うから鞘作りしたいと思うんだ。

だからせめてノミだけでも手に入らないかな?」


「そらそーだ! 分かった、ここ卒業した年上メンバーも巻き込んで話し合いするわ。

ゴミ捨て場で運良く拾えたらいいが、そうそう簡単に捨ててくんねーからなぁ」


「分かった。とりあえず3人連れて川で研いでくるね」


「おう! 行ってこい!」


今日の配信で言う内容は決めた。鞘作りの為に木材と必要道具のオネダリしてやる!

後は鞘作りのスキルが何か生えてくれればいいんだが。そうすれば新たに誰かが鞘師になって生産の連携出来ればこの拠点メンバーだけで生産サイクルの一部が出来上がるのに。


3人を呼んで移動する間にこっそり配信開始のスイッチを押して、俺はいつも通り振る舞う事に意識を集中する。



[あら? アタシ一番乗りかしら?

通知来たからソッコーでチャンネル見たら生配信始まってるわね?]

[一番乗り出遅れたわぁん。でも生で動いてるとこ見れるからいいわぁ。早速あちこちに拡散しなきゃねぇ]

[ふむ、2人に先越されてしまったが気にならない! だって間近でロリショタが見れるのだからな!]

[団長〜うるせぇっすわwww]

[ここがオレらが入れないスラムなのか?

廃墟味あるけど手入れされてないから朽ちてるだけっぽいし、復興イベ起こらんかな〜]



うっわぁ…宣伝してないのに結構集まって来やがった。しかも濃ゆいな!?

復興イベか…やってみたいが、プレイヤーがどこまで入り込めるようになるのか後で範囲を聞いておかんとな。

それまでに俺達が生産に使う土地を先に確保しとかねーと駄目か。

牧場と畑は広い土地がいくらでも要るからなぁ…。


「ねー師匠〜。鞘付いてないと高く売れないでチュか?」


「んおっ? そうだな、考えてみ? 買った後にどうやって持ち運ぶ?」


「……売れるだけ有り難いレベルで危険で邪魔でチュね」


「そう言うこった。だから今度は木工の中でも鞘作りに興味持ってくれそうな子を探さにゃならんのよ。

僕が鞘作りをある程度出来るようになってからだけどな」


「でも道具ないから無理でチュね」

「ゴミ捨て場で拾えたとしても、職人の道具なんて職人が使えないと判断するくらい壊れたから捨てられてる訳だし、拾っても意味ないでチュよね」


「その為に放浪者に売り込むしかないと思うんだ。放浪者はみんな1人残らずストレージってスキルがあるらしく、抜き身のソードだろうとしまえるから平気で買っていくと思う。

鞘がない分安くしておけば多分いけると思うんだよな。まだ始めてないから売れ行き予想つかねーけど」


「それしかないでチュねー」

「足りない物ばかりだから仕方ないでチュねー」



[貧乏生産職のオレらより無い無い尽しやんwww]

[オレ使い捨て武器もっと欲しいと思ってたから買いたい]

[あーし買ってあげたいんだけどなー]

[ふぉっ!?Σ(゜ω゜) ゲーム内専用貢ぎシステム見つけたぞ!?]

[なぁんですってー!?]

[私も見つけたー! これでアイテムとゲームマネーが貢げるわ!]

[いっえ〜い! 推し活隊とっつげきーぃ!]



何このテンション。推し活隊って何!?

よく分からんくて怖ぇ。

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