第41話ゲーム内じゃ3日目の朝ですよー!

ゲーム内で就寝時間になったのを狙ってリアル側で小休憩とってまた戻って、日課のアイテム拾いに行く道中に昨日までと違う変化があった。


「なーんか前にはなかったネットリ熱い視線を感じる気がするんだけどなんだろな?」


「ん、あっちだや」


「「あの店の窓に心臓に悪いのがいるでチュねー」」


「店の窓?……ひっ!? こわっ!?

何アレ何アレ!? すっげー目で僕らを見てるんだけど!?」


店の窓に張り付いたあまりに血走った不気味な目をギョロギョロさせて、こっちを凝視していてさながら貞子ばりのホラーだ。

子供でなくとも普通に怖い、とっても怖い。


俺の叫びに反応した周りのプレイヤーが一度俺に注目した後、例のホラー窓に全員が揃って顔を向けると言うこれまたホラーでよく見る動作にこっそりビビる俺。

するとホラー女の後ろから濃ゆいコック服が般若顔で頭を掴み窓から引き剥がし、奥へ引き摺って行くのが見えた。

マジこえぇわ。オッサンなのに叫ぶほどビビったわ。ストーカーってあんな感じなのかもな、クワバラクワバラ。


「店長が怖い女の人を引き摺ってったし、あの窓はもう大丈夫じゃないでチュかねぇ?」

「だといいでチュね。あんなの小さい子に見せられないヤバい顔でチュからねぇ」


「んだな。気にしても仕方ないから行くだぁ」


「「でチュ」」


「そう言うなら目的地に行くか。今日からは根こそぎ拾えるから、張り切って拾ってこうな!」


ホラーを見た気分から気持ちを切り替えて目的地へと去っていく4人組。その4人組の去った場所でグルグル巻きにされたホラー女が、公開お仕置プレイされてた事は俺もメンバーの誰も気付いてもいなかった。




〈激怒したオネェ&オカマ店長サイド〉


「おう? うちの店の営業妨害してまで可愛い子供達をガチ怖がらせて楽しかったか?


「ててて店長の可愛い乙女が剥がれてますよーなんちって?」


「おおん? 全く反省してねーようだな?

お仕置として特製クリーム投げ磔刑な? 通行人も参加自由のクリーム投げだから喜べよ?」


「女のあたしをいたぶるなんて人権侵害だわー! 運営に通報してやる!」


「その運営から許可貰ってんだよ、うちも被害被ってるって事でな。通りの使用許可は衛兵から貰い済みだ。

安心して特製クリーム食らってろ!」


「ひ、ひぃぃ!?」


「ご覧の皆さぁん、リアルの憂さ晴らしに最適なお仕置タイムが始まりますわよぉ?

こちらに用意したクリームはお仕置用に用意された物。激辛から痒いのまで各種あるので全力でぶち込んであげて下さいな」


「逃げられないようにアタシから提供の特製のお仕置ロープで縛ってるから安心して投げられるわよ。

ぶち込んでも運営の制裁はないから日頃の鬱憤晴らし放題間違いなし!」


「「さぁ! 憂さ晴らし祭りの始まりよぉ!」」


「「「「お? おぉぉぉぉぉ!!」」」」


「さぁさ、衛兵さん達も交代で憂さ晴らしに参加しましょ? たまにはこう言う発散を楽しむのもいいものよ?」


「む、すまんな。門の近くで視界の届く範囲でおさまる距離だから、我々も喜んで日頃の鬱憤晴らしをさせて貰おう」


NPCの衛兵も加わってのお仕置祭りは盛り上がり、中には戦闘スキルを使ってクリームの威力を上げる強者もさり気なくいる。

1人だけ阿鼻叫喚の祭りは4人が帰るまで続き、見張りに立ってたプレイヤーが4人の拾い作業が終わるのを見付け急いで報告し、通りにいたプレイヤー全員で高速後片付けを済ませ、何もなかったかのように日常の人通りに戻した。


4人はもちろん自分が通ってる場所でそんな事があったとは夢にも思っていない。

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