第40話メンタルもフィジカルになれ! フィジカルお化けになれっつーたらなれ!
「こうして真正面から見るとウサギの角尖ってて怖ぇぇぇ!」
「ビビる暇あったら動け動け!
1番攻撃が分かりやすいウサギの動きを体に叩き込め!
俺たちは毎回付き合えるほど暇じゃねぇ!
だったらお前1人で簡単に狩れるようにならねーと何も出来ねーぞ!? 」
す、スパルタぁぁあぁぁぁ!! でも、確かに俺はソロ狩りする事になるだろうから1人で対処出来る動きを身に付けなきゃいけないんだけど……けど! これ絶対わんこ蕎麦リターンズフラグ建ってるよなぁぁ!?
避けるだけじゃなく倒すまでしないとウサギのおかわり来るよなぁ!?
夕方になるまでホークは角ウサギを1人で倒せるようになるまで、わんこ蕎麦よろしく次から次へと元気な角ウサギとの対峙を繰り返させられ、日が暮れる頃には疲労困憊で草むらに突っ伏していた。
「おーい、少しでも動けるようになったら解体も教えるぞー?
解体は狩った後にするから疲れた状態での作業が多いんだ。だからホークもヘトヘトな状態で解体に参加して貰うぞ?」
スパルタ地獄の追い討ちきたー!?
スキルやステータス関連のアナウンスは逃げてる最中にあったようで、ホークの右手にはストレージを可視化する腕輪が既に付いており、回避や逃げ足と言った今回の特訓で芽生えたスキルも一気に増えていた。
追い討ちではあるけど解体が終われば後はストレージにぶち込んで身軽な状態で帰れるんだ! 最後の踏ん張りをオッサンの意地で見せてやるわぁ!
…1時間後。そこにはヤムチャポーズで横たわる燃え尽きたビショ濡れ少年がいた。
身長差と種族関連の非力さが問題となって蔓で縛ったウサギを引っ張り上げる事すら出来ず川に浸しながらの解体となり、疲労と理不尽な非力ステータスの現実にヤムチャポーズせずにはいられなかったのだ。
その間はもちろんスーラが毛皮の処理を進めており、何とか復活出来たホークは綺麗になった毛皮をストレージに回収ついでに周りの草むらを再鑑定して回った。
野生の野菜もとい野草あるわあるわ。
川ノビルや川シソや川ハマダイコン、川カラシナに川スベリヒユ。
……これ川に生えてるから全部川って付けただけじゃね? こんな所で手抜きネーミングセンス発揮してやがる!?
ミーメル鑑定だと根も使える奴もあるようだが、幼い子供達に辛味は良くないから葉だけの採取にしとくか。
それでもピリッとくる辛味のある奴とかあるけど、そこは調理で調整して貰おう。
これも教えておくか。足りない野菜成分の確保に繋がるからな。
は〜疲れてんのに俺は何してんのかねぇ?
まぁ、肉ばっかのメシは流石にキツいからいいか。
まだ川に残ってたメンバーにも鑑定して判明した食べれる野草を教えて、集まった野草の小山をホークが収納して帰る頃には日暮れからかなり暗くなっていたのだった。
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