第38話さーていい加減狩りのお願いの時間だ
チルだけでなくチパの服も綺麗になった所でドルバが戻ってきたので、研ぎ直したナイフをドルバにまた持って貰い、2種類の薬草をそれぞれ2人にも鍋で運んで貰う事になった。
俺はずた袋にシャボン草をそっと詰めて運んでいるけどな!
研ぎが昼過ぎに一通り終わっちまったから、一刻も早くレベル上げしておこうと考えてるんだよな。
そろそろソードとナイフの保管が厳しくなりそうだからだ。それにストレージを解放してから配信を始める方が、そう言うもんだと思い込んで貰えそうって狙いもある。
多少通い慣れてきた帰り道は特になくスムーズに着いた。今日の留守番はまたガルフである。何故だ?
「おーチビ共おかえり! おう、その草はなんだ?」
「アタチのは治癒草でチュ!」
「ワタチのは病癒草でチュよ!」
「んで、僕のがシャボン草。洗うのに最適だから採ってきた。今から干して乾燥させたら長くもつよ」
「俺たちゃ、薬買えねーから助かるぜ!
干すなら日差しが入るこっちに置いときな」
と、日の当たりが良さげなスペースへ指差して教えてくれた。
「師匠、そのシャボン草もアタチ達が干しとくからお話すればいいでチュ」
「何か頼みたい事あるでチュよね?」
「お? 俺に何かして欲しい事あんの?」
「ちょっと事情があってレベル上げをしなきゃいけないから、狩りを手伝って欲しいんだ」
「本来ならまだ早い!って注意するとこだけどお前はアレだからなぁ。
留守番代われそうな奴いるか探してくるから、ちょい待っててな!」
そう言うが早いかあっという間に姿を消してどこかへ行ってしまった。まだ残ってそうな幹部グループを探してるのが分かるほど、あちこちでガルフの声らしき声が聞こえてくる。
どうやら代わってくれそうなメンバーがいたようだ。姿を見せたのはスポーティな体型の猫耳少女。
髪型はくせっ毛が強すぎるせいか、ボブヘアとセミロングの間の長さはあるはずなのにボーイッシュな印象だ。
ただし、今は顔がご機嫌ナナメ猫状態である。
「もーにゃんだよー。放浪者に近場の納品依頼ぜんぶ食い尽くされてフテ腐れてたのに〜。
雑用依頼は戦えない仲間用だから戦えるあたいは手を出しちゃいけないし、店に働けるツテないから訓練してたんだぞぅ?」
「へへっ悪ぃ悪ぃ。でも俺だって戦えるけど留守番を連続でやらされてんだぜ?
たまにゃこっちでチビ共の相手してやれや」
「むー仕方ないにゃね〜。ならとっととその子に狩り教えて肉いっぱい持って来やがれにゃ」
「お、じゃあ川で解体もついでに教えとくわ。毛皮と肉運び役のチビは何人か連れてくぞ?」
「おっけーおっけー。鍋持てるチビは全員連れてってもいいくらいにゃ。
狩りを見るのも勉強になるからちょうどいいにゃね」
「その分頑張って狩ってきてやるよ!
ドルバ! また悪ぃけど血抜きや解体の手伝いとしてついてきてくれ!」
「ん、問題ないでや。快足スキルをもっと育てたいと思ってたんだぁ」
「お! それはいい! 行きは駆け足で移動しようぜ!
スキルまだなら駆け足か快足が生えるし、持ってるなら育つからな!」
ついでにスキル鍛錬まで付いて来ちまったよ!? 怖いくらいにトントン拍子に話進んだな!? おい!?
だけどどーせやるなら、まとめて済ませたいしいっか〜。
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