第37話遠足は家に着くまで遠足ってな、これは遠足じゃないって?知らんな
「ひどいでチュ! アタチがスライムに襲われてるのに放ったらかしなんて!」
「ごめんごめーん。でもよく見てみるでチュ。チルは食べられてないでチュよ?」
「嘘でチュ! そんな訳…う? あれ? 体溶かされてないでチュ?
逆に服の汚れがとれて新品な感じになって乾いてるでチュね? なんで?」
「すまんね、そいつは僕のスライムなんよ。だから意味があってチルにへばり付いてるんだろうなって思って放置してた」
「それならそれで早くそれを言って欲しかったでチュ! 師匠もチパも意地悪でチュ!」
「はははっ、スマンスマンって。今度はチルの分のスライム核拾ってくるからさ、それで機嫌直してくれよ」
「む〜分かったでチュ。服が綺麗になったのは師匠のスライムのお陰でチュからね。
アタチも欲しいのでお願いするでチュよ」
「あ、ワタチもお願いしていいでチュか?」
「構わん。弟子の分くらい余裕で拾ってくるさ。何なら家にいる皆にも行き渡って欲しいとすら思ってるし」
「「それは名案でチュ! 服を洗うにも限度あるでチュから助かるでチュよ!」」
「何なら明日のアイテム拾いにお前らも参加するか?
他にも色々と拾えるかもしれねーぞ?」
「今までは年下の子達の仕事だから遠慮しなきゃと思ってたけど参加したいでチュ」
「こうやってスキル身に付けて余裕出た視点だと違う物が見えてきそうなので、ワタチもついてくでチュよ」
「そう言う事なら大歓迎だ」
拗ねたチルのご機嫌取りの後はスライム飼いの有効性を理解して貰い、アイテム拾いの戦力を増やせたのは良い事だ。
俺1人の持つずた袋じゃ詰めても限界があるからな。2人分のずた袋があれば、もっと拾えるはずだ。
調合素材は今後店を出す事も考えてストックしておきたいし、スラムの大人達と渡り合えるだけの材料となる何かも見出したい。
物か人か場所かは分からんが、大人の協力もあれば助かる…あれ? そう言えばあの拠点の卒業生なら信用出来るんじゃね?
卒業後の状況次第ではスラムから通って貰ってもいいんじゃね?
卒業生以外の大人はまだ信用出来ないからな。下手したら畑荒らしする可能性もある。
だが、あの拠点で助け合って生きてきた卒業生ならそんな事されたら、どんだけ子供達が困って苦しむか肌身で理解している。
これほど信用信頼出来る助っ人はないと思うんよな。
ついでに俺のレベル上げの協力もして欲しいところ。いい加減ストレージに保管しときたいんだよ、スライム液とか色々と。
調合した後の薬液とかも外部には見られたくないし盗まれたくもない。
売り物にするソードとナイフも出来ればストレージに入れときたい。あれも盗まれたら色んな意味で困る物だし。
そろそろ戦闘に使えるスキルを身に付ける為の訓練もしておこうかな。ジャンプや走るや反復横跳びなら1人でも出来る。
誰にも見られずにしたいけどな、傍から見たら頭おかしい動きだわコレ。
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