第28話NPCにスキル芽生えさせるって具体的に何をすれば?

「さーて着いたぞ? まずは川の傍で座れる岩と研ぎ石代わりになりそうな平たい石か岩だ。

昨日、僕が使ったのは作業台にも使える平たい岩。サイズ的に岩とも石とも微妙に言い難いが僕にとっては紛うことなき研ぎ石だ!

僕ではお前らの体に合った石や岩は分からん。だからまずは自分達に合った石や岩を探せ」


「分かったでチュ!」

「チル! 隣同士で一緒に研ご?」

「チパ…そーしたいけどアタチ達重たいの運べないよ?」


「あーだったらドルバに手伝って貰えばいーんじゃね? ドルバその辺どうよ?」


「んだなぁ。おらぁはやる事ねっから構わんでよ」


「だ、そうだ」


「「ありがとうでチュ! ドルバお願いしますでチュ!」」


さて、俺は俺で作業を始めとくか。今日はあの2人にナイフの錆落としを全部やって貰うつもりで、ソードからやってくか。

ナイフと形状もサイズも違うから持つ時は気をつけねーとな。特に斬れ味上げる時は既に切れる状態だからなぁ。

うっかり当たらねー様にしねぇと死に戻りしかねねぇわ。


1本目の錆を落とせた所でどうやら場所と道具も決まったようだ。作業している彼の近くでやるつもりのようで、教えを乞う為に声を掛けて気付かせている。


「アタチ達準備終わったんで早く教えて欲しいでチュ」


「お? ようやく場所と石決めたか。

んじゃ、僕の後ろにあるナイフの山から束1つ持って行きな?

持ったらお前らが決めた場所に案内してくれ」


1度ソードと研ぎ石を水で洗って立ち上がると、早く早く!と言わんばかりな2人に背中を押され案内される。

案内されると言っても思ったより近くだった為、移動の労力はそこまでなくすぐに到着した。


「僕のやり方をしっかりみてたようだな。少し掘って川の水を引き込んで、研ぎ用の水確保出来てるじゃねーか。

非力だと流れの強い川の水汲みは道具を持ってかれる可能性があるからな。安全に水汲んで研ぎに使いたいならこれが無難だ。

研ぎは常に掛ける水が必要になる。水を運ぶ時間がもったいないよ」


「なるほどでチュ! ホークの作業場真似て細長い石で頑張って掘ってみたんでチュよ」

「穴掘りはネズミ族の特技でチュから!」


俺が褒めるとドヤ顔ネズミ幼女の可愛い姿になった。これはスクショだ!

研ぎが終わったら絶対に呟きッターにねじ込めるよう、ミーメルを呼び出そうそうしよう。


「それじゃ、椅子代わりの石に座ってナイフを研ぎ石に置いたな?

まずは研ぎ石に水掛けて利き手で柄を持ってくれ」


「こう、でチュ?」

「ワタチ達それぞれ利き手が左右逆だけど大丈夫でチュか?」


「それは問題ないぞ。ブレずに位置を固定しやすいのが利き手だってだけで、やる事ぁ左右変わらんよ」


「「なるほどでチュ」」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る