第26話スカウト無双!と、言いたいが現実はなぁ(遠い目)
さっそく草食系ケモ耳ーズが集まってる集団に声掛けてみるか。
「おーい、地味な作業だけど研ぎに興味ある奴いない?」
「ボクは畑に興味あるからごめーんピョン」
「わーも将来牧場してみたいと思ってるモー」
……うんえーい!? 兎と牛の獣人だからって語尾テキトーに設定してないですかねぇぇ!?
仕事ザっついな!? おいぃ!?
語尾にピョンとモー付ければ兎と牛って分かるっしょ?的投げやり感まで感じるわ!
「そっかー残念だけど、もしかそう言う事が出来る土地を確保出来たらお願いするね」
「「期待しないで待ってるピョン(モー)」」
兎と牛は全滅っと。他にどんな草食系ケモ耳いたっけかな?
「あのっ」
「アタチ達では無理でチュか?」
「ん? 君達は?」
横から俺に声を掛けてきたのはとても小柄な幼女2人だった。
耳は…ネズミか? 尻尾がネズミだし、ネズミの獣人なんだろう。
「アタチ達はネズミ族のチルとチパでチュ!」
「あんま幼過ぎるのはちと問題あると思うんだけど…」
「アタチ達とてもちっちゃいけど、これでも11歳なんでチュ!」
なんやとぉ!? 俺のアバターと変わらん歳やんけ!と思ったら、年長組に片足突っ込んどるやんけ!?
「驚いたでチュよね? ネズミ族の特徴がとっても小柄な体格って奴なんでチュ」
「さ、流石に歳下の子の仕事をワタチ達がいつまでも続けるのも問題ありまちて」
あ〜…ネズミを人間に置き換えるとすばしっこいけど非力な子供体格って感じになるのか。合法的な
変態プレイヤーが喜ぶ奴だ!
「アタチ達すばしっこいけど大人になっても獣人の子供並みの力しかないのでチュ」
「斥候は見つかっても逃げ切る為に戦えないといけないんでチュが、ネズミ族にはまず戦う力がないんでチュ」
一般的な体格にもなれず腕力も持久力も最低だから冒険者の斥候にもなれないって事は、運良く弟子入り出来ん限りは普通の職すら難しいのか。
かなり詰んでる種族じゃね? そもそもネズミって疫病を運ぶ不衛生の代表格生物やん?
少なくとも飲食は全滅やん? 人間メインの国だと就ける仕事まずないやんね。
そらー必死に声掛けてくるわ。
「こんなアタチ達ではまともな職に就けないでチュ。
ただでさえ病気持ち込む獣のネズミと同類と思われて嫌われてるのに、手に職つける事すら出来ないんでチュ」
「だけど! ホークは見せてくれたでチュ!
非力な子供でも研ぎが出来ると!
ワタチ達にも食っていける道が見えたでチュ!」
「「なので研ぎをさせてくださいでチュ!!」」
将来が真っ暗通り越して暗黒だもんなぁ。
獣人国に行けるほどの体力も余裕もなく、どこに逃げてもついて回るネズミ自体の悪印象。
何でもいいからスキル身に付けたいわなぁ。
ま、人手が増えると嬉しい俺としては大歓迎だがな!
「喜んで歓迎するよ! 早く人手を増やしたくてたまらなかったから助かるよ」
「「よ、良かったでチュー!!」」
これで手に職つけれる!と安堵のバンザイを繰り返すネズミっ子。写真撮って呟きッターに載せたいなぁ。
後でミーメルに聞いてみるか。ヘルプでも開けば出て来るだろ、アイツなら。
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