第23話さーてゲーム内2日目になるがまだ俺はNPC初心者を卒業出来ない

ログインしたらちょうど朝になっていた。

寝坊したか分からんが俺が最後っぽいな。何か朝メシ食ってる音が聞こえるからな。


今の自分の状態を確認したら急いで音の聞こえる部屋まで駆けてく。

部屋に入るとテーブルも何もないから適当な場所に座って、黒パンとスープっぽい物を食べてる姿がびっちり入っていた。

……食わない俺、場違い感ハンパねぇ。


「お! ホーク今起きたか! 朝メシどーするよ?」


「おはよー今はいいや。食事少なくていい体質だから」


「おーそっか。そーいうもんなんだな」


「だーめ! スープくらい飲んどきなさい!

ガルフ! いくらこの子の体質でも納得して受け入れない!

うちに居るのに何も食べさせないなんて私たちがしちゃ駄目なのよ!?」


「わ、わりぃ…そーだよな。俺たち獣人は仲間全員メシ食わせてこそだもんな。

俺たちと事情が違うからって扱いを変えたらいけねーよな」


「そう言う事よ! ホーク、そう言う事だからこれだけでも口にしなさい?

私たち獣人は養う側になったら庇護下にいる者に食わせるのが義務であり矜恃になるの。

だからスープくらいは飲んでね?」


「わ、分かった」


獣人としての集団本能って奴かねぇ?

ま、しゃーねぇか。人前で食わない訳にゃいかんしな。

スープを飲んだ後は捨てアイテム拾いに行く訳なんだが、狼耳リーダーもといガルフに俺は呼ばれた。

ガルフの横には体格のいいクマ耳の少年がいて、何のために呼ばれたのか謎である。


「街に行く前に紹介しとくぜ。ホークの重たい荷物を持って貰う事になるドルバだ。

これからはもっとナイフ拾うつもりだろ?

それにゴブリンソードにも手を出せそうならそれもお願いしてーのよ。

狩りに行けるメンバーの武器を増やしておけば、もっと肉を増やせる」


「いずれ露天商もしたいと思ってたからそれは問題ない。

だけど色々やりたいし、色んな場所にも行きたいから研ぎする人増やしたいんだわ」


「それは構わんよ。自力で稼げる手は少しでも増えた方がいいからな。

水汲みの時に呼び掛けてみたらどうだ?」


「そーする。正直、昨日だけでも僕だけじゃ無理だと分かった。

スキルをもっと育ててから教えようと思ったけど、僕の時間が取れなくなると感じたからね。一緒に同じ作業やらせて少しでも物作れる戦力を増やせたら売るのも夢じゃないし」


「スラムの俺たちが平民街のバザール広場で露天商始めれるなら大快挙だ。

そこまで漕ぎつけれるなら向いてないのに狩り組に回ってるアイツらを、こっちに回す事が出来るぜ」


「始める時は大人と張り合える人は何人か欲しいと考えてたから助かる。

戦える姿勢を見せるだけでも舐められないと思うし」


「それは嘘じゃねーな。スラムのガキってだけで舐められやすい。

ハリボテでもいいから対等に見える奴立たせんと話すら聞いて貰えねーんだわ。

おっと話に時間取りすぎたな。

2人でとっとと通用門行くといいぜ。粘着液ならホークが起きる前に、チビ共に必ず拾うよう言っておいたから安心しろ」


「それはいいね!

他に試してみたいアイテムあったら拾いやすいから助かる!

それじゃ皆を待たせてるから行ってくるね!」


「おう! 行ってこい!」


無口のクマ耳少年ドルバを連れて意気揚々と走っていくホーク。時間が経てば経つほど彼に注目する視線が密かに増えてる事に彼はいつ気付くのやら。

そんな事気にせず、やりたい事を増やしてはファンが増えていく未来はあと少し。

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