第22話リアルはまだ1日経ってないのにゲーム内で1晩過ごせるとは凄いな

何だかんだで街の労働から帰ってきたメンバーも作業用ナイフが増えた事に大喜びだった。まさか明日の研ぎを期待されとる!?

早く俺以外にも研ぎ出来る奴増やさねーとやりたい事が出来ない気がするぞ!?

そう言う拘束的な事は流石に嫌だから、明日になったら研ぎに興味ある子いないか聞いてみるか。


就寝タイムになったようだから俺も1度ログアウトして休憩とるか。


「あー! ずっと横になってるせいか体が少し硬くなってんな!

でも楽しかった! 正午だから小腹と水分補給したらまたログインするか!」



4倍速時間差システムすげーよな、こっちの1日がゲームじゃ4日経ってんだぜ?

廃人ガチ勢はゲーム内の就寝時間を利用して小刻みに仮眠とってるらしいぞ?

それ聞いた時はドン引きしたね、ゲームにそこまで健康を生贄に出来ねーからな! そんなもんブラック企業の社畜やってた時でじゅうぶんだ!


俺はまぁ、アレだ。ずっと家にいるが廃人ガチ勢でもニートでもなくワケありって奴だ。

ワケありってのは、完全ノータッチ案件でクズ上司がやらかした失敗を押し付けられて、懲戒免職の上に損害賠償なんざまでほざきやがってな。

俺の労働データとか証拠持って労基署に駆け込んでから、こっそりそう言う企業のやらかしネタが好きな週刊誌にタレコんでテレビにまで報道されて世論を味方にした上で、裁判所で徹底抗戦してやったからな。


お陰でクズ上司が懲戒免職で損害賠償の上に俺にも賠償金を支払わなければならなくなった。

もちろんクズ上司の話を鵜呑みにした会社からも高額賠償金支払って貰った上で、会社有責の辞職もしてさらに有給やら何やらのオマケも搾り取ってやったわ。

俺がここまできっちり勝てたのは世論様々って奴。あまりにも悪質な手口だったもんだから、さらにマスコミに深掘りされて残業代未払いのブラック企業だった事までバレたら即落ちよ。


むしり取るもんむしり取って今は悠々自適な無職。

あれだけ派手に裁判沙汰にして暴れると無駄に有名になってか、逆に就職しにくくなってしまってなぁ。廃人ニート生活するつもりはなかったのに、時間が有り余って買い物に出掛けたらクジ引きでこれを引き当てたって訳さ。


ま、最悪な事の後に良い事があったって事で世間が落ち着くまで軽く引き篭るさ。爺さんの家に引っ越すまでちょいちょい取材があったからな。

やっと静かな生活でゲーム三昧ってもんだ。


休憩時間のはずなのに過去の事をツラツラと思い出しちまったわ。

やる事多すぎて忙しかったのがスイッチになったんかね?楽しかったからクソな過去をゲームの思い出に塗り替えてやればいいか。


よし、昼の軽食もトイレもすんだからまたログインして売れそうな物増やしてくか。

人材育成もな!

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