第16話研ぎの成果を見せたるぞ!
うーむ…切れるナイフを裸のままぶら下げて運ぶのは危険だしなぁ。研ぐ前なら錆びまくって切れる心配がなかったから、蔓で縛って肩にぶら下げて運べたんだが……。
「ホーク〜研ぎはもういいのー? 出来たのー?」
俺がウンウン唸って悩んでると、水汲み終盤になって余裕の出てきたケモ耳ーズが興味津々で俺の研いだナイフを覗き込んできた。
「わー! 立派なナイフになってるー!
ホークすごーい! これならおにぃもおねぇも助かるねー!」
あ、そうだ。身体能力特化のケモ耳っ子いるやん。
この子らに手伝って貰おう!
「あの人達に出来上がったナイフ見せてビックリさせてやりたかったんだけど、運ぶのに力ないし手が足りないからさ〜。
水汲みの上にこれ持って貰うの悪いと思うんだけど、手伝ってくんねーか?
で、皆でこの大量のナイフ見せてビックリさせよーぜ?」
「うんいいよー! あたい達なら5本は手に持てるからこの蔓で縛っといてよ!
んで、一緒に戻ろ? ビックリするとこ皆で見たいから!」
「ファーも立派なナイフたくさんで、おにぃとおねぇビックリさせるー!」
「問題はおれ達3人じゃまだ手が足りねーって事だな。あと1人はいるだろ。
1人来るまでちと待っとこうぜ」
「「さーんせーい!!」」
よし! これで何とか1度で運べる!
切れるようになった後の事考えてなかったのは失敗だが、次からはどう運ぶか考えなければ。
問題は運ぶ為の道具を作るのに必要な素材がないって事だ。
代用した素材で
粗大ゴミ的な捨て場から素材になる壊れ物を拾うしかないか?
いずれ露天やるにしてもたくさん運ぶ為の道具は必要になるからな。金掛けずいかに目的の物を調達するか、ワクワクしてきたな。
何とか1人来て全員が鍋を頭に乗せ手にはナイフの束を持つと言うシュールな絵面になりつつ、誰にも気付かれずに留守役をしていたリーダー組の1人に皆でナイフを見せ付けた。
見せ付けられたその1人は高価な物を見たかの様な驚いた顔をして、マジマジとナイフを見続ける。
「お!? すごいじゃねーか! あんだけ錆びてたナイフが使えそうな姿になるとは!
……斬れ味どんくらい付いたか聞いてもいいか?」
「構わんよ。全て+5に統一してみたけど、高く売りたいなら研ぎもっと頑張るつもり。
何なら露天販売で売れるとこまで極めてみたい」
「はん! じゅーぶん使える斬れ味だ!
冒険者なりたてが使うナイフと変わらねぇ!
これなら俺たちも狩りに出られる!」
どうやら安物ナイフ1つ手に入れるのも苦労してたようだ。持ってないせいで出来る仕事も限られていて、それでも冒険者に必要な知識や情報を集める事はやめず、いつ討伐に行けれるようになっても大丈夫な様にはしてたらしい。
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