第15話研ーぎ研ぎ研ぎ研ぎ、スキル化して極めてやるわ(悟りの目)

スラムの話を色々聞きながら歩くだけであっという間に川に到着してしまった。


思ったよりちっけーな!? おい!?

水堀でも狙ってたのか!?


聞いてた話よりも幼い子供でも行ける距離感にビビりツッコミ入れるほど近く感じられた。

まぁ、着いたのだから石探しするか。


「ホークの欲しがってた石見つけたよー!」


もう見つけたんかい! はえーわ!


「ありがとー。じゃあそこの座りやすそうな石に座って研いでるね。

研ぎに使った水は川に流すつもりだから、僕より川上で汲んだ方がいいよ」


「わかったー! おれ水汲み頑張るからホークは研ぎ?頑張れよー!」


案内してくれたメンバーはゴミ捨て場で拾ったかのような料理に使えないボロ鍋を手に、俺より少し川上の方にワラワラと水を汲んでお互いに頭の上に水入り鍋を乗せあって運び始める。


獣人って器用だな!? 身体能力特化種族と言われるだけあるわ!

はっ!? ぼーっとしてる場合じゃねぇ!?

ケモ耳ーズが水汲みピストンをしてる間に1つでも多く研がなければ!


時間がないとばかりに急いで椅子代わりの石に座って、水を掛けながら研ぎ始めた。

当然、ド素人の見よう見まねな研ぎなため最初は手際が悪く中々進まない。

しかし途中からいきなり手際が改善され、スムーズに錆を落として刃こぼれの部分も消えていった。


《一定の経験回数に達したので研ぎスキルが芽生えました》


「うぉ!? いきなりアナウンス来るとビビるわ! そうか、研ぎの動作として認められたのか。

このまま研ぎの熟練度上げて錆落としだけでなく、斬れ味も追加出来るか挑戦してみよう」


念の為、今の状態のゴブリンナイフに鑑定入れてみるか。



【ゴブリンナイフ】

研いだお陰で錆が落ち、刃こぼれもなくなっている。

研いだ者がまだ未熟なため、斬れ味は付いておらず未だなまくらナイフのままである。

(同じナイフに何度も研ぎ挑戦出来るから斬れ味上がるまでやってみるといいのねん。

やり過ぎると消えるから程々にねん?)


ま た お 前 か !

アドバイス助かるけどログインしてる間ずっと観察してるつもりか!?

鑑定したらミーからメッセージ来ると思っておこう…ツッコむのは不毛だわ。


とりあえず全てのナイフから錆を落として刃こぼれもなくしたら、次は斬れ味が付くまでエンドレス研ぎタイム。

ここからは削りすぎないよう慎重に研いでいく。何回か研いだら鑑定、の繰り返しで調整していくか。


1本目、5回目の鑑定で斬れ味+1が付いた。俺の実感としてもなんかコツを掴んだ気がする。

恐らく研ぎスキルのレベルがかなり上がったんだと思う。思ったように力の加減がしやすくなってきた感があるからな。

コツを掴んだ勢いのままにどれくらい斬れ味が上がるか実験をしてみる。


何とか+5まで上げる事が出来た。時間の関係でとりあえず今回は全て+5に揃えておいといた。

これでどれだけ役に立つナイフになったのかねぇ?

切っていい物が見当たらないから試せないんだよな。


今気付いたけど斬れ味が付いた刃物どうやって運べばいいんだ? ちょいと水汲み中のケモ耳ーズを呼んで聞いてみるか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る