第14話道具を作る為の工作って思ったより大変だわ
俺の戦利品は生活に必要な物を作る為の素材と言ったからか仕分けが後回しになった。
他の子の拾ったアイテムを見れば、まあ成程確かに稼ぎの足しにはなりそうだわって素材ばっかりだ。
角ウサギの毛皮や欠けた角、スライムやゴブリンの魔石、草原ワームの粘着糸。
……どーせ最後のは芋虫が気持ち悪くて持ちたくなかったんだろ?
こっそり鑑定した後はゴブリンナイフの処理に必要な事を聞く事にした。
「ねぇ、このゴブリンナイフ研ぎたいんだけど、研ぐのにちょうどいい平たい石みたいなのない?」
「あー! 川で見た事あるよー!」
「お? あそこの川か?」
「そー!」
「ならギルドに行かない奴は水汲みついでにホークも連れてってやれ」
「分かったー!」
どうやら俺はまた案内される立場になるようだ。今回は俺が場所を知らないのと貴重な道具であるナイフを増やすと言う目的のため、免除された感じだな。
次からは水汲みにも参加した上でナイフ研ぎをするか。場所を覚えれば1人でもいけるし。
研いだナイフが溜まれば売却に色付けて貰えるかもしれんな。もしくは露天として自分達で売るのもありかもしれん。
スラムの端へどんどん進むと壁が崩れて、人が通れるほどの隙間が出来た塀が視界に飛び込んできた。
マジかよ、モンスター侵入し放題じゃねーか。何で誰も気にしてねーの?
「あはは♪ ビックリしたよね?
今の王都になったあと、手入れされなくなって崩れたんだってさ!」
元気に走り回っているケモ耳ーズの1人が笑いながら教えてくれた。なんでも住民が増え大規模な拡張をしなきゃならなくなったらしく、今の王都部分が完成したら一部を除いた住民全てが新市街地に移動したらしい。
捨てられた旧市街地は新市街地に移動する事すら出来ない貧民層がそのまま住み着く事になったと。
で、見事な住み分けになったもんだから新旧街同士の間は防壁が挟まれ、貧民層の出入りに多少の制限が始まった、と。
とは言っても出入りに通行料を取る訳でもなく、禁止物の持ち込みをしてないかの確認だけのようで子供は出入り自由らしい。
でも外の出入りで使う通用門と同じぐらい頑丈で衛兵が番人してるって事は、いざと言う時には見捨てる為なんだろうなぁ。
大人って汚いっ! ……リアルに戻れば自分も大人だけどな!
プレイヤーがバカスカ狩ってくる草原のモンスターも大半がノンアクティブらしく、こっちから攻撃しない限り大人しいらしい。
だから幼い子供達だけで水汲みしても危険はないと。
逆に退屈な時は間近でジッと見て観察したり、撫でたりしてるんだと。
マジかよ!? (2度目)
そんなに安全なら餌付けして飼い慣らすのも出来るんじゃね!?
いや、待てよ? 食うのに精一杯な状態で餌を与える余裕はないか。
残念だがやるなら餌の負担がないスライムから始めるべきか、やはり。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます