第9話決意が鈍りそうなオマケがひでぇ気がする

「それに比べたら【超愛され体質】なんて普通だよねん? 大体予想はつくよねん?

老若男女に好かれやすいって効果だし?

まぁ、ミーのこの姿から生まれた効果なんだけどねん?

でもミーの息子としてミーの色とか色々外見的なものも引き継ぐし、この2つの効果が出てもおかしくはなかったけどねん?」


「そこで繋がるんかい! あーもー外見はお前に任せるって言ったのは俺だしな。しゃーねーや」


「そう言う事ねん! そこはごめーんね?って事で!」


ま、どーにかなるだろ。たぶん、きっと、恐らく。……ストーカー量産だけは避けてぇなぁ。


「最後に【妖精天使化】ってアクティブ効果なのねん。

心底ピンチになった時に使う効果だよん。

ミーに助け求めるとホークの姿と能力が妖精天使になるんだよん。

その時必要とする能力が優先されるから、ピンチの度に違う能力が発動する可能性はあるんだよねん。

でもコレ人前で使ったら人に紛れるの厳しくなるから、慎重に考えてねん?」


あー…人外枠逝きになる訳か。でもプレイヤーの前で死ぬ訳にゃいかんし、背に腹はかえられねーよなぁ?

ギリギリまで粘って状況が良くならないってとこまで追い詰められてから使うか。


「おーけーおーけー。最後の切り札って扱いにしとくわ。

んで、これで説明は全て終わったよな?」


「そうだねん、名残惜しいけどそろそろ旅立ちの時なのねん。

……その外見で俺って言われると違和感半端なくて笑えるのん。それだけだねん!

また会えるといいのん! いってらっしゃいなのん!」


「最後に言う事はそれかよ! まぁ納得はするから変えるけどよ。

全力で楽しんでくるから、しっかり見とけよ!

……行ってくるぜ、ミーメル母さん」


「!?」


ミーメルが最後の一言に反応してるのを横目に異世界に降り立ち、その目に世界が広がった。


「さてさて拠点をどこにすっかねぇ?」


俺が降り立ったのはスラムのどこか。

崩れ掛けの建物ばかりの荒れ果てた一角が俺のスタート地点のようだ。

遠くに大きな城が見えるところ、恐らく王都のスラムってとこだろうな。

どーの建物がマシかねぇ?


「おい、そこの坊…主? 嬢ちゃん? こんな汚ぇ場所に何の用だ?

ここはおめーの来ることじゃねーんだわ、早く平民街に帰んな」


拠点の事を考えながら彷徨いてると、後ろから薄汚くもそれなりに手入れの努力が見える服装の柄の悪そうなオッサンが声を掛けてきた。


……油断したなぁ。誘拐されてもおかしくないレベルで油断してたわ、俺。

このオッサン何気に性格悪くないんじゃね?

スラムから離れろと警告してるようだし?

場所考えたらかなり親切だよなぁ?


「残念だけど平民街に行っても僕が暮らせる場所はないよ。だからこっちで生活する為の拠点を探しに来た」


とりあえず俺じゃなく僕に変えてみた。スタンダードな呼称ですまんな。

面倒くさくてこれ以上考えるの諦めたんだわ。


「ちっ、外から浮浪児の新入りかよ。しゃーねぇ、浮浪児どもが家代わりに使ってる建物まで連れてってやる」


「あ、ありがとう」


こ れ は !

寵愛の効果でいいんだよな!? すごい親切すぎる!

こんな感じで何かオトクが発生…するだけで終わって欲しいなぁ、切実に!


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