第5話嘘つき

「なぁ、武田。オレ、ウソついていい?」

と、金谷が言う。

「良いけど。どんな?」

武田は、台本を読みながら顔も上げずに言った。

「あの男嫌いの、半沢に恋の告白をしてみたいんだ!」

「あ、あんた。チャレンジャーだね。殺されるよ!」

「もし、告白して、キスまでしたら、いくらくれる?」

と、元木にも言った。

「そうだなぁ、3万円かな?」

「えっ?そんなにくれるの?」

「もちろんだ、金谷。俺たちは君が幸せになることを願っている」

「よっしゃー!放課後、見てな。校舎の屋上で告白&キスするから」

「頑張れよ!」

「応援するよ」

「あ、ありがとう、武田、元木!」


放課後


「何だよ!金谷」 

「じ、実はお前にオレの特技を見てもらいたい。演劇部で大切な事だ」

金谷は、半沢に言った。

「どんな、特技?」

「いつでも、屁を出せる所」

「……」


「じ、じゃ行くよ!1、2、3、ダァー!」 


グジュッ!


金谷は顔面蒼白。

「か、金谷。あんた、もらしたでしょ?」

「まっさか〜。お嬢さん。17よ17!漏らすわけ無いじゃん」

「あんた、立ち方が変だよ」

「何が?」


匂いが既にクソ。


「は、半沢!」

「何だよ」

「お、オレ、お前の事を愛している!」

「わたしは、お前が大嫌い!このクソ漏らし!演劇部の恥だわ」


「あれっ?半沢あれ何?」

「ん?」


 ブチュッ!


半沢が横を向いた瞬間、金谷は半沢のほっぺたにキスをした!


「てんめぇ〜!このクソ漏らしが!」


バキッ!

ドゴッ!


「あ〜、3万円!3万円」



武田と元木は陰で見ていた!

「3万円なんて、やらんよ金谷」

「あたりメェだ」 


クソを漏らした、金谷はグラウンドの水道の角柱でゴリゴリ尻を洗っていた。

ゴリゴリ

ゴリゴリ

ガッ!


角柱の尖った所に、肛門に刺さり金谷は悶絶した。


アワワワッ!


この日、金谷と半沢は大きく近付いた。

半沢は、その様子を遠くから眺めていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る