第17話 地の文の難しさ……

 さて今回は自分の作品をどう書いていくかと、他者の作品から学んだことを考えていきたいと思います。


 まずは、自分の短編は一人称で書くのか、三人称で書くのか、についてです。始源の女神と終末の黒竜は三人称で書いているつもり? なので、今回の短編は一人称で書いていこうと思います。


 正直一人称は他のキャラクターが登場するまで、独り言になって書きづらそうというイメージがあったのですが、地の文で描く心の台詞と現実で主人公が発する言葉の台詞で会話をさせれば退屈せずに書ける。ということを学びました。



 例

 天気は晴れか(心の台詞)

 今日の予定のことを思考する(心理描写)

「森へ出かけるのであれば、実に良い天気だ」



 みたいな感じですかね。

 自分は地の文を感覚で書いていたので、それは反省点です。

 学んだ上で自分の作品を見返すのが怖い……。





 地の文の書き方は人称視点によって変わってくるでしょうから、それについても考えなければいけません。


 読んでいた作品からみれた地の文の描写(一人称視点)

・情景描写

・説明描写

・心の台詞

・行動描写

・心理描写

・五感描写


・情景描写:主人公の視点から見えるもの

例:木々の間から光が差し込む森の中。

 視線を動かし、周りを見渡すと様々な種類の植物が生い茂っている。


・説明描写:主人公の知識により説明される

例1:スライムとはそこら中で見かける。低級魔物の一種だ。青い半透明の身体をしている。


例2:スライムはぷにぷにした水のような可愛い魔物だ。


・心の台詞:主人公の内面での発言

例1:馬鹿な!? 何故スライム君がここに!?

例2:(馬鹿な!? 何故スライム君がここに!?)

例3:――馬鹿な!? 何故スライム君がここに!?


・行動描写(自分):主人公の体の動き

例1:私は両腕を上げ、アライグマの威嚇のように構えた。

例2:僕は脚に力を入れ、全力で地面を蹴りあげ逃げ出した。

例3:俺は剣を大きく頭の上に引いて、スライム君に振りかざす。


・心理描写:主人公の心の動き、感情

例1:好奇心がくすぐられる。

例2:絶対に許さない。

例3:どうして人は争うのだろう。

例4:とても幸せな気持ちだ。


・五感描写:主人公の体の五感(情景描写、心理描写など……)

視覚:可愛らしい見た目の女の子だ。

聴覚:金属のぶつかり合う激しい音が聞こえる。

触覚:手の沈むような柔らかさで、とても冷たい。

嗅覚:食欲のそそられる、カレーの匂いだ。

味覚:口から火が吹き出そうなほど辛い。



 他にもあるかも知れませんし、表現が間違っているかもしれません。地の文は多くのことを書けます。しかし、全部書いてしまうと短編では、1万文字をオーバーしてしまうでしょうし、文章を書くのも読むのも大変になってきます。


 短編では特に、この中から必要な描写だけを書いていかなければなりません。


……難しいっぴ!


 更に読んでいた短編作品では地の文は基本的に描写の組み合わせで表現されていました。


・心の台詞+心理描写

例:(くたばれスライム!)

 所詮低級の魔物だ。恐れることはない。


・情景描写+説明描写

例:街道の外れに、緩やかな川が流れている。この川は町の人々に大切にされているものだ。


・心理描写+心の声+行動描写

例:スライム君の仇だ、絶対に負けたくない。

(くたばれ、スケルトンめ!)

 私は両手を前に突き出し、呪文を唱える。


 描写同士の組み合わせは難しいですが、地の文を書く上で重要なテクニックになるので、感覚ではなく、意識して書けるように練習したいと思います。

 今まで書いてきた例のように、てきとうな場面を用意して書いてみるのも、地の文を書く悪くない練習になるような気がしてきました。



 1万文字以内という制限のある中で、文字を書いていて文章を作り、文章を組み合わせて場面を作る、さらに場面を組み合わせて一つの物語へとしていく。


 当たり前のように目にする文字。そんな当たり前もこうして意識して考えてみると、複雑なもののように思えます。


 自分の面白いと思ったものを分析し、自分の中に少しでも多く取り込んでいく。そういったことを繰り返して、自分なりにアレンジを加えて面白い物語を作り出せたらなと思います。


 書くことの大切さ、読むことの大切さを教えてくれる。それがカクヨム様です! 

 カクヨムコンテストという目標に向けて頑張ろう!






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