第58話
そんなわけで、俺は動物園を辞めた。半年いたかな?
「ご迷惑をおかけして申し訳ないです」
最後に、動物園に赴き謝罪した。
「いや、飼育員たちに大変刺激を与えてもらって!助かりました!」
「…どういうことです?」
「柊先生が倒れるまで働くなんて、そこまで仕事に熱心なのかと言ってましたよ」
それは園長のせいで倒れたんすけど。ま、これで動物園がよりよい施設になったらそれでいい。
さて、異動してきた東京の動物病院には会いたくないやつがいた。
それは
「柊ー!わーい!久々だねぇー!」
「お前、相変わらずうざいな」
「ねーねー柊、雑用でしょ?頑張ってね」
嫌味かよ!最低だな!
「雑用は得意だし。お前よりもな!」
「ふーんそう。あ!桃川さーん!柊だよー」
「げ、柊」
あー、会いたくないやつ2人目。桃川。こいつうざいんだよな。まじ嫌い。しかもブス。
「足助、俺は忙しいから話しかけるな」
「えーひどーい」
「てかー柊は雑用でしょ?偉そーにしてるけど足助くんより暇じゃーん?」
「お前も雑用だろ!俺は青森では動物看護師だったし」
「それ田舎だからでしょ?結局雑用じゃん?」
「うるせーよお前」
「もー!喧嘩しないでよ!ね?」
あーあ、知り合いが多いのも疲れるな。
そして、実家暮らしに戻った俺は…
家事もこなさなくてはならない。
「あーーあ。なんで俺が家事しなくちゃなんねーんだよ!学生じゃねーんだぞ!」
「亮伍。あんたねぇ、ここにわざわざ住まわせてあげてるのに酷いわねぇ。まりこさんだったらよかったのに」
嫌味をはっきり言う母。
「兄貴は左遷だろ?」
ぐーたらしてるダメな弟。
「くっそ!うるせー!やればいいんだろ?ったく!」
家事をこなすばかりか動物の世話もしなければならない。ここでもぱしりかよ!
そういえば結婚式…まりこが全て準備していて、東京に異動になってすぐにあげた。
できる妻だ。
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