番外編

柊家、川中家の日記

第59話

まりこの日記


私、まりこは1週間前に職場で倒れた。腹痛で。助手の緒方さんが救急車を呼んでくれた。


どうやら、私は妊娠していたみたい。

マジで他人事みたいなんだけど。そんな、他人事みたいなことを亮伍に報告してみると、びっくりしてた。そんで、


「やったじゃん」


と、他人事のように喜んでいた。

私が仕事ができそうにないと言うと、


「青森で働くけど?」


って、軽く言った。や、嬉しいけどすぐに異動とかできんのかな?マジ不安なんですけど。

それから、子供好き?って聞いたら、


「普通?」


だとさ。私のイメージだと子供にバカにされそうな予感。亮伍似で、ちびだとちょっとやだな。


亮伍は実家にいるので、電話を代わってもらい亮伍母にも報告すると


「あら、よかったわね」


と、とても落ち着いた反応だった。まるで他人事のよう。


ついでに、うちの実家へ電話すると、母が出た。報告すると、


「すごいわ、まりこ!」


と、喚起をあげたけれど、私はまるで実感がない。生まれてからじゃないとわかんないんじゃね?


まりこ




柊亮伍日記


俺、柊亮伍は東京から青森へと舞い戻った。

まりこときたら、ラーメンばっか食ってた。マジで引くんですけど。

まりこの食べたいものを作ってやろうと聞いてみたら、ハンバーグにカツ丼、カレーって、一回倒れたやつがそういうこと言う?


しょうがないからカツ丼を作ってやった。取調室のような、不思議な気分となった。

このメニューは柊家では出ないが、1人暮らししてた俺には定番のメニュー。


「お前、ラーメンばっか食うなよ。お袋さんが泣くぞ」


と、連呼すると、


「マジうけるー」


と返された。なんだこいつ、元気じゃねーか。でも、またメダカと暮らせて嬉しい。


次の日から、青森動物病院の獣医となった。

助手は緒方さん。

机はひどいありさまだった。書類は散らかって、本は積んであり、とにかくなんでも散らばっていた。異動のときはこういうの片付けんのが普通じゃね?まあ、突然だし仕方ないか。緒方さんに手伝ってもらい、なんとか片付いた。緒方さん超力持ちだから助かる。


仕事内容はというと、とにかく、マジで大変。いろいろ読んでおかないといけない本とか、多すぎる。俺はもしかしたら死ぬかもしれない。本の読みすぎで。とりあえず、家に持ち帰って読むか。まったく読める自身ないけど?こりゃマジ大変だな。


まー獣医になれてラッキーだけど


亮伍

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